電動化車両がこれだけ増えても「ソーラーパネル」を積むクルマはプリウスのみ! 普及しない理由とは (2/2ページ)

太陽の位置が変わると発電量も変わってしまう!

 実際、ソーラーカーレースでは、充電するため太陽光パネルを太陽の移動にあわせ、チームスタッフが直射日光のあたるように管理しているのである。したがってクルマへの適用はなかなか進まない。発電効率が約20%に達して以降、なかなか向上しないからだ。

 環境負荷のない再生可能エネルギーとして、太陽光発電への期待は大きい。定額での電力買い取り制度(FIT=Feed-in Tariff)が2012年に実施され、自宅屋根への太陽光パネルの設置や、ソーラーファームの展開が進んだ。一方で、弊害もあり、FITは2019年で終了している。

 クルマへの直接的な搭載はなかなか難しくても、すでに家屋に太陽光発電が設置されている場合は、その電力をEVやPHEVへの充電に活用し、クルマで利用することは行われている。EVを積極導入している日産や三菱自動車工業では、自宅とEVやPHEVの連携をしやすくする取り組みを行っているのだ。

 技術は、良し悪しだけでなく、得手不得手がある。太陽光発電を車載できなくても、それをクルマに有効活用する方法はあるので、利用の仕方の工夫で導入していくのがいいのではないだろうか。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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