トヨタのライバルは日産でもホンダでもなくスズキ! コンパクトカー販売現場に衝撃の変化 (1/2ページ)

トヨタの新車購入でスズキを競合車にするひとが増えた

 インターネットの普及に伴い、実際に新車購入のアクションを起こす前に、メーカーのウェブサイトで商品情報を得ながら、購入車種を絞り込むのが一般的となっている。ウェブサイトでは見積りシミュレーションもできるし、ローンの試算までできてしまう。つまり、いまどきは実際に新車購入へ動き出す時には、購入本命車種を決めているので、ライバル車をたくさん用意し、ゴリゴリ競り合わせて値引き拡大を進める“昭和の新車購入”は少数派になっているとのこと。

 トヨタ・ノア系(ヴォクシー、エスクァイア)とセレナ、ステップワゴンや、見た目以外スペックはほぼ共通となる軽自動車などでは、ライバル同士を競り合わせても効果が期待できそうだが、そもそもゴリゴリ競り合わせても効果が期待できるような、“ガチ”でのライバル関係そのものが成立しにくくなっているのもまた現状である。

「トヨタでは2020年5月から、一部を除き全店で全車種の併売化をスタートさせたこともあり、他銘柄(他メーカー車)と商談で競り合うことはほとんどなくなりました」と話してくれたトヨタ系セールスマンであったが、「それでも最近はスズキのモデルと比較検討されるお客さまは目立ちますね」とのことであった。

 当のセールスマンも、日産やホンダのクルマをお客から持ち出されることがほぼなくなっているなかで、スズキ車が引き合いに出されることに少々驚いているそうだ。このセールスマンによると、ルーミーを検討しているひとがソリオを、ライズを検討しているひとがクロスビーをそれぞれ比較しているお客が目立つようである。

 ルーミーとライズといえば、ダイハツからのOEMでありながら、いまやトヨタを背負って立つような存在と言ってもいいほどの超人気モデルとなっている。ただ、興味深いのはルーミーの発売が2016年11月なのに対し、いまのようなオリジナルスタイルとなった2代目ソリオは2010年に発売。そしてライズが2019年11月発売なのに対し、クロスビーは2017年12月に発売となっている。

 軽自動車販売で激しくスズキとバトルを繰り広げるダイハツが開発および生産を行っていることもあり、「スズキで気になるクルマがデビューした」といって、ルーミーやライズ(ダイハツではトールとロッキー)が登場したわけでもないだろうが、スズキとトヨタ(ダイハツ)の商品開発現場においては、同じような“感覚”や“価値観”があるように見えてならない。

 世界的には3ナンバーサイズのスイフトを国内モデルだけ5ナンバーサイズにするなど、国内市場に接する姿勢はトヨタ(現行カローラはサイズダウンし事実上国内専売に近い)と似通って見える。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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