アメリカの人たちにとっては「セミトラック」が当たり前
長年のアメリカ生活のなかで、アメリカ人に対して「それって、なに言ってるの?」と思ったことが何度かある。そのうちのひとつが、「セマァ~イ・トラック」だった。
サウンドとして「狭いのか?」とは、なんとも日本人的な表現で恐縮だが、「セマァ~イ」とは、SEMIのことだ。アメリカ英語では、これを「セミ」ではなく、「I」を「アイ」と発音して、さらに抑揚がつくので、「セマァ~イ」と聞こえる。
このSEMIトラックとは、いわゆるトレーラーヘッドのことだ。このヘッドとは、まさにトラックの「頭」の部分を指す。つまり、アメリカの大型トラックは牽引車なのだ。
欧州でも、こうしたトレーラーヘッド型のモデルはあるが、アメリカの場合は、ケンワースなどの大手がキャブオーバー型も開発はしてきたものの、市場での人気はボンネット型が主流となっている。
NASCARやインディカーなどのレーシングチームのトランスポーターも、そのほとんどがボンネット型のSEMIトラックを使用したトレーラーけん引タイプである。
以前、そうしたレーシングチームの専属ドライバーに、SEMIトラックの良さを聞いたことがあるが「いいも悪いも、これは俺たち、アメリカの当たり前なんだよ」と笑い飛ばされたことがある。