人間のため毎日毎日クラッシュ三昧! 1体ウン千万円のダミー人形の「プロフィール」とは (2/2ページ)

ベースの価格は1000万円から3000万円ほど

 実際の構造は、近づいて見てみるとわかるように、人形というよりも骨格標本的な感じで、複雑なパーツが組み合わせられていて、そこに各種センサーを設置している。外から見ると皮膚の部分がかなり多いように思えるが、実際はあまりボリュームがなく、カバーといった感じだ。素材もポリ塩化ビニールで、安価だ。ただし、皮膚や筋肉越しの衝撃を測るので、ただ適当に作ってあるのではなく、厚みや硬さなどにはノウハウがあって、当然だが、ぶつかったときの動きや揺れ方などは生身の人間と同じになるようにできている。

 気になる価格はメーカーや体格にもよるが、ベースで1000万円から3000万円ぐらい。これに各種センサーを要望によってセットしていくと、億を超えることはザラだとのこと。しかも使用限界があって、一生ものでないというのも、かなり贅沢な器具と言っていい。ちなみに耐用回数は、テストの仕方などによって異なるので一概には言えないとのこと。

 ちなみに安価なのもあって、ただクルマに跳ね飛ばされるとか、頭部だけ。センサー類なしの形のみで、たとえばシートに長時間座らせて変形を見るといったテスト向けであれば、数万円からあるにはある。

 最初にも触れたようにシミュレーションでもある程度はできるものの、衝撃の入力から、実際の車内の凹凸に対してどう当たるか。足ははさまれないか(つまり車体がどう変形するか)など、要件は複雑なので、実際にダミー人形を使ってテストしたほうが、リアルな結果が得られるし、手っ取り早くもある。そのため、今後も回数は減るかもしれないが、ダミー人形を使っての衝突実験はなくなることはないだろう。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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