乗務員の「高齢化」だけが原因じゃない! プロである「タクシー」の事故が目立つワケ (2/2ページ)

二種免許取得時の「実地試験免除」も事故の原因

 いまどきは、タクシー乗務に必要な二種免許は実地試験免除なので、一種免許と同じく教習所へ通えば短期間で取得することができる。二種免許の教習を請け負う教習所はタクシー事業者がオーナーだったりすることもあり、短期間で二種免許を取得させ乗務してもらおうとするので、二種と一種の違いなどが十分理解できないまま現場デビューしてしまうひとも多い。

 二種と一種の違いは、危険予測範囲を一種より広く持つこと。そして、乗客を乗せていることを意識して安全運転を心がけることなどがある。ただ、基本的な運転方法は一種とは変わらないので、違いがわかないまま現場デビューしてしまうと、事故だけでなく、「急ブレーキばかり」などと、乗客からのクレームも多くなったりするのである。

 タクシー乗務員のほとんどは異業種からの転職組がほとんどとなる。生活のためと割り込んで乗務員となったものの、前職のころのノリをいつまでも引っ張っているひとは、稼ぎがいまひとつなのに加え、事故やクレームが目立ってしまうという話もある。

 前職のころの思い出をスッパリと切り捨て、いかにタクシー乗務員としての技量を高めることに集中できるかが、事故やクレームを減らしていくともいわれている。

 ちなみに、トヨタJPNタクシーが登場して間もないころ、トヨタセーフティセンスを過信する乗務員による、追突事故が多発したという話を聞いたことがある。「自動ブレーキがついているのに止まらなかった」ということらしい。デバイスがついているだけでは、事故防止効果は薄くなってしまう。どのようなデバイスなのかを説明し、どのように使いこなしていくかをしっかり認識してもらわないと“宝の持ち腐れ”になってしまうのである。

※写真はすべてイメージです。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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