PCやスマホのように自宅でアップデートできないのはなぜ? 「コンピュータ制御だらけ」のクルマにディーラー入庫が必須な理由 (2/2ページ)

自身でのアップデートは将来的に可能になるだろう

 まず、既存モデルのソフトウェアが、無線ネットワークによるアップデートに対応した内容になっていないことが挙げられる。PCやスマホのソフトウェアは、アップデートを前提として作られているため、ソフトウェアの供給側は新たに進化したソフトウェアを用意するだけで、ユーザー側はアップデート可能な状態となっているのだが、車両搭載の制御システムにはこの機能がなく、データのアップデートが可能な設備を持つディーラーでの作業が必要不可欠となるからだ。

 また、現状のアップデートシステムが、国土交通省が定めるサービスキャンペーンの枠組みを使って行われている点も関与する。このサービスキャンペーンというのは、製造車両に安全・環境基準に適合しない(あるいは適合しなくなる可能性がある)不具合が発見された場合、無償で車両を回収し、不具合のある個所の改修、改善を義務づけたリコール制度と同じ枠組に位置付けられたもので、道路運送車両法に照らし合わせたリコール届出、改善対策届出には該当しない領域の商品性、品質の改善措置を行う対策であるからだ。

 データ(ソフトウェア)のアップデートを、メーカーによる商品性、品質の改善措置と位置付けているため、所定の資格を備えた工場、人間(つまりディーラーの整備工場)でなければ作業を行えない、という法的な制約の影響を受けるからだ。

 実際のところ、OTA(Over The Air)システムの発展、充実化が確実視されている現状で、ユーザー個人による車両制御システムのアップデートは、将来的に可能な方向で進んでいくことは間違いなさそうだが、自動車という大きな運動エネルギーを持つ物体が対象となるだけに、万が一にもソフトウェアの不備が発生するようでは安全上、非常に大きな問題となる。セキュリティの問題も含め、確実なアップデートの方法が確立された時点で、個人によるアップデート作業の方式が可能になるのかもしれない。いずれにしても、自動車はソフトウェアの改善で、車両の性能向上、機能向上が常識化した時代に突入したわけである。


新着情報