「言語道断」30%が「子どもの命」を軽視! チャイルドシート使用の実態と注目すべき「新規格」の有用性 (2/2ページ)

新安全基準に適合していても注意が必要!

 そしてもう1つ、チャイルドシートを開発する段階で実施される「衝突試験」の内容も変わっています。「R44/04」では前方・後方からの衝突試験のみでしたが、「R129(i-Size)」では側面(ドア側)からの衝突試験を実施することが義務化されました。また、その際に使用する「ダミー人形」も従来より計測センサーが増え、より詳しく人体への負荷が検証できるようになっています。今後、こうした試験結果が蓄積されていくことにより、チャイルドシートの安全性がもっともっと向上していくことは間違いないでしょう。

 このように、これからチャイルドシートを購入するならば、新安全基準「R129(i-Size)」適合の製品を購入することをお勧めしますが、いくつか注意点もあります。

 1つ目の注意点は、この新安全基準「R129(i-Size)」は従来の「R44/04」に取って代わるものではなく、並行して存続しているということです。つまり、店舗で今から購入する製品がすべて新基準に適合するようになったわけではありませんので、自身の目でしっかり確認することが必要です。

 2つ目の注意点は、「R129(i-Size)」適合のチャイルドシートは、装着方法が「ISOFIX」のみであるということです。

 ISOFIXとは、車両側に設置されたアンカー金具に、チャイルドシート側に設置されたコネクター金具を差し込むだけで、誰でも簡単に確実に装着できるという、国際規格の装着方法です。日本でも、2012年7月以降に発売された新型車から、ISOFIX適合が義務化されており、それ以前に発売された車種でも、メーカーの意向で適合している車種もあります。

 チャイルドシートを購入する際は、メーカーのWebサイト等で適合製品または適合車種のリストが公開されておりますので、必ずチェックするようにしましょう。

 子供の命を守るためには、確実に装着され、成長に合ったチャイルドシートを使うことが欠かせません。6歳未満はもちろん、6歳をすぎてからも、身長が145〜150cmになるまではジュニアシートを使用することを推奨します。「面倒だから」「すぐだから」といった大人の怠慢のせいで、子供の未来を奪うことのないよう、しっかりと安全意識を持っていきましょう。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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