伝統のカングーか? 新鋭ベルランゴか? 世界一オシャレなフレンチミニバンをガチ比較! (1/2ページ)

両車とも欧州では働くクルマとして活躍している

 高全高、両側スライドドア完備、荷物の積載力抜群……のミニバン的なクルマでありながら、オシャレ度では国産ミニバン大きくリードするフレンチMPV。これまでルノー・カングーの独壇場だったそのジャンルに、強力なライバルが出現している。その1台がシトロエン・ベルランゴだ。SUVチックなエクステリアデザインもあって、フランス車ファンはもちろん、アウトドア派のユーザーからいち早く注目され、まずは限定車として販売が開始された初期受注も極めて好調のようである。

 さて、先輩格のルノー・カングーとシトロエン・ベルランゴはどちらが買いなのだろうか。ひとつ言えることは、現行モデルのカングーは、2009年(日本市場/本国2007年)に登場した2代目で、モデル末期。すでに欧州では14年ぶりにフルモデルチェンジされ、2021年4月から受注を開始しているぐらいなのだ。が、かといって、現時点でカングーがベルランゴのライバルにならないか? と言えば、決してそんなことはない(詳しくは後述)。

 まずは両車の概要から。先輩格のカングーは、全長4280×全幅1830×全高1810mm、ホイールベース2700mm。

 ベルランゴは全長4405×全幅1855×全高1840mm、ホイールベース2785mmと、より長く高く、やや幅広いプロポーションとなる。

 パワーユニットは大きく違う。日本仕様のカングーは1.2リッターガソリンターボ、115馬力、19.4kg-mのみで、トランスミッションは2ペダルMTの6速EDCと6速MT!! が用意される。

 ベルランゴは1.5リッターディーゼルターボ、130馬力、31.0kg-m、8速ATの組み合わせとなる。

 両車ともに欧州では商用車が基本で、働くクルマとして活躍。日本仕様が豪華装備の乗用車タイプで輸入されているのも周知の事実で、両側スライドドアを完備。ただし、国産ミニバンではおなじみのオートスライドドアや、電動ではなくてもイージークローザーのような機能はなく、手動操作の開閉は、かなり重い……。国産ミニバンのオートスライドドアに慣れている人は、覚悟が必要だ。

 商用車が基本ということから、両車ともに荷物の積載性は抜群と言っていい。荷室の容量はカングーが600~2866リットル、ベルランゴが597~2126リットル(VDA欧州参考値)と、ややカングーがリードするものの、どちらも大容量、大空間であり、ベルランゴには荷室の天井部分に約60リットルもの収納もあり、アウトドアユースの荷物の積載でも困ることなどまずないと言っていい(欧州では荷物を運ぶためのクルマなのである)。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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