バイクが売れる時代が到来! コロナ禍の不景気がもたらす「新車販売」の変化 (2/2ページ)

リーマンショック後は軽自動車市場が大きく拡大した

 軽自動車が売れるようになったのはリーマンショックがきっかけだ。実際、リーマンショックの起きた2008年には186万9893台だった軽自動車の販売台数は、リーマンショックから回復するタイミングでどんどんと増えていき、2014年には227万2790台と歴代最高の販売台数を叩き出している。

 ちなみに軽自動車の年間販売台数でいうと、2012年が歴代4位の197万9446台、2013年が歴代2位の211万2991台となっている。こうして軽自動車が爆発的に売れたのはリーマンショックの影響によるダウンサイジング指向もあったろうが、2011年12月にホンダN-BOXが誕生したことも大きい。このころから軽自動車市場は一気に拡大した。

 たしかに初代N-BOXは力作であり、名車であったがリーマンショックからの回復期というタイミングだったことも、その人気につながったといえるかもしれない。

 新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言が発出されている地域も少なくなく、その終わりが見えないという気分になってしまっているかもしれないが、ワクチン接種が進めば社会的ムードも変わってくるだろう。

 リーマンショックにおいても5年後の2014年には国内での新車販売は556万2888台となり、2009年比で見ると95万台も増やしていた。今回も数年後には日本経済は元気を取り戻すことを期待したい。

 そしてリーマンショック後に軽自動車が売れたように、コロナ禍を抜けた先にどんな世界になるのか大胆に予測すれば、おそらくバイク市場が拡大するだろう。なにしろコロナ禍の2020年においてさえ軽二輪(125cc超・250cc以下)は前年比3割増と明らかに販売台数が増えている。

 原付の売れ行きは落ち込んだまま、軽二輪が前年比で売り上げを伸ばしているということは、コロナ禍において密を避けるためではないだろう。趣味性によって売れていると考えるのが妥当だ。経済状況が厳しく、不可分所得が減ったなかで、レジャーやホビーユースとしてモビリティを楽しもうというユーザーにおいては、もはや脱四輪・入二輪といった時代になりつつあるのかもしれない。

 ちなみに、軽二輪の圧倒的人気モデルは、ご存じのように「ホンダ・レブル」。もはやスピードを競うという時代ではない。自分のペースで風を感じながら自由にツーリングすることを楽しむ時代になっているのだった。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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