「2回払い」に「残価設定」などローンも多彩! KINTOもある! イマドキのお得な「クルマの買い方」 (1/2ページ)

昔はローンに対してマイナスイメージがあった

 日本における新車購入では、もともと現金一括払いが圧倒的に多かった。60年代から70年代にかけてモータリゼーションなどと呼ばれた時代には、ローンは月賦払いなどとも呼ばれ、お金もないのに無理して新車を買ったといった、世間的ではあまり良いイメージが持たれないことも多かったようだ。

 新車ディーラーでは、提携信販会社のローンを商談時にあっ旋するディーラーローンを用意し、購入する新車の所有権を留保するなどして、借りやすくしている。だが、以前は金利が15%前後も当たり前となっていたので、利用する人はかなり限られていた。

 アメリカでのオートローンは、日本の金融機関のように、融資の申請を受け、その後の審査で個々人により金利に差が出たり、希望車を購入するのに十分ではない融資額になることや、返済中に金利が変動するものとなっている。日本のディーラーローンでは、金利は固定となり、融資額についても審査さえ通れば(たいていは通る)希望融資額はそのままOKとなるので、借りやすい以外はメリットが薄かったのである。

 バブルのころはディーラーとのやり取りは現金一括払いとなるが、ディーラーローンより低金利となる金融機関のマイカーローンで借りたり、勤務先の社員向け貸付制度を利用し現金を用意する人も目立った。

 そのうち90年代後半に残価設定ローンというものが登場する。もともとは輸入車ディーラーが積極的に採り入れ始めたものであり、当時はリース型ローンとも呼ばれていたもの。当時、自動車先進国のアメリカでは個人所有であってもリースで乗るひとが目立っていた。しかし、当時の日本では法人向けではカーリースの利用が目立っていたが、それでもなかにはリースを嫌い、コピー機などのOA用品も含め買い取りにするところもまだまだ多かった。

 そのなかで、個人レベルではローンすら利用に抵抗を示す人も多いなか、いきなりリースで新車に乗ろう(審査も厳しいのである)というわけにもいかなかった。そこで、3年後や5年後の当該車種の残価相当額を支払最終回に据え置き、残りの元金を月々払うことで支払い負担を軽減する、まさにリースに近いローンとして、残価設定ローンが登場した。

 残価設定ローンでは、残価相当額として据え置いた支払最終回分の精算については、現金以外に当該車両の返却、同じメーカー車への乗り換え、再ローンを組んで乗り続けるなど、いくつかの選択肢が用意された。車両返却や同一メーカー車への乗り換えをすれば、残価相当額となる支払最終回分を現金で相殺する必要はない。つまり、残価相当額分は新車購入費用から浮くことになり、別の買い物や次の新車の購入予算などにまわすことができるのである。また、ユーザーを囲い込みためのツールとしての色合いも目立つので、金利も通常払いローンに比べると低い設定となっているのも特徴である。

 その金利については、トヨタ系や日産系では4.5%前後とやや高めとなるが、そのほかのメーカーでは、3.5%前後であったり、期間や車種を限定し、さらに低金利なプランが用意されたりしている。本稿執筆時点では4月末に正式は発売となった新型ホンダ・ヴェゼルが1.9%の低金利キャンペーンを展開している。トヨタは金利が高めとなるが、その分フルローン(法定費用や販売諸費用も含む支払総額全額)が組め、金利が低めの他メーカー系残価設定ローンの場合はフルローンが組めないケースが多い。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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