クルマの「リコール」「改善対策」「サービスキャンペーン」! メーカー責任で行う「修理」に3種類あるワケ

リコール対象車は車検に通らないがその他は未修理でも問題ない

 自動車のリコール制度とは、設計・製造過程に問題があったために、自動車メーカーが自らの判断により、国土交通大臣に事前届出を行った上で回収・修理を行い、事故・トラブルを未然に防止する制度。

 平成30年度には、408件、821万7340台がその対象になっている。

 こうした自動車メーカーの設計・製造過程にミスが発覚し、メーカーの責任において修理を行なうのには、リコールのほかにも「改善対策」と「サービスキャンペーン」がある。

 どれも同じように思えるかもしれないが、じつは「リコール」と「改善対策」と「サービスキャンペーン」では、重要度がずいぶん違う。

 国土交通省のHPには、「回収・修理の種類について」として、次のように書かれている。

・リコール

 リコールとは、同一の型式で一定範囲の自動車等又はタイヤ、チャイルドシートについて、道路運送車両の保安基準に適合していない又は適合しなくなるおそれがある状態で、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、保安基準に適合させるために必要な改善措置を行うことをいいます。

・改善対策

 改善対策とは、リコール届出と異なり、道路運送車両の保安基準に規定はされていないが、不具合が発生した場合に安全の確保及び環境の保全上看過できない状態であって、かつ、その原因が設計又は製作過程にあると認められるときに、自動車メーカー等が、必要な改善措置を行うことをいいます。

・サービスキャンペーン

 サービスキャンペーンとは、リコール届出や改善対策届出に該当しないような不具合で、商品性・品質の改善措置を行うことをいいます。

 このうちもっとも重要度が高いのは、リコール。

 リコールは、放置しておくと重大な事故につながる可能性があり、修理を済ませていないクルマは、車検を通すことができない。リコールの知らせがきたら、即座にディーラーに連絡しよう。

 一方、改善対策とサービスキャンペーンは、未修理でも車検は通る。

 しかし改善対策は、不具合が発生した場合に安全の確保及び環境の保全上、問題があるとされているので無視したままというのは危険。

 サービスキャンペーンは、事故などの危険性はないが、不快な思いをする可能性があるケース。これも放置しておいていいことはない。

 自分の愛車がリコールなどの対象になっているかどうか調べたい場合は、国土交通省のHPの「不具合情報検索」「リコール情報検索」で調べることが可能。

 自動車メーカーのHPでも検索できるので、中古車を買った人や、購入後引っ越しをしている人などは、一度確認してみるといいだろう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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