コロナ禍でも落ち込まず! 日本車の苦手分野「高級車」で「レクサス」が成功できたワケ (3/4ページ)

世界的に認められたことで高級ブランドとして逆輸入

 しかし、海外でレクサスブランドが誕生してから16年経った2005年秋、満を持して日本でレクサスの販売店が整備された。当初、トヨタ系ディーラーで併売するという噂もあったが、ブランドを確立するためにはそうした中途半端な対応をよしとしなかった。この判断が現在の状況につながっている。

 これまでの自動車販売店とは一線を画した「おもてなし」をテーマにレクサスディーラーは整備された。そのためにホテルや宝飾品などの接客経験者を採用するなどの工夫もしたというほどだ。日本でレクサス販売をはじめた当初は、セダンの「IS」と「GS」、そしてオープンスポーツのソアラを名前変えした「SC」とい3モデルで、けっして数が売れるラインアップではなかったが、クルマを売るというよりも体験を売るという方針を貫いたことで、レクサスは日本でもブランド力を確立していく。

 明らかに国産車と異なる販売店のムードに、一部のユーザーはレクサスを逆輸入車と勘違いしていたほどだという(実際にはもちろん国産車だ)。とはいえ、輸入車を求めるユーザー層の多くは第一候補としてドイツ車をあげるケースが多く、レクサスはドイツ御三家(メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ)に対抗するほどの商品力をまだ持ち合わせていなかった。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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