じつは「社内オリジナルデザイン」だった! 開発車両の「渦巻き柄」ラッピングの正体とは

メーカーのデザイナーが作っている!

 自動車関係の記事のなかで反響が大きいというか、皆さんにとても楽しんでいただいているのがスクープものだ。要は発売前のナントカというモデルが走っていたとか、最近はほとんどないが、テストコースで激写など。次はこんな風になるのか、とワクワクしつつも、どうも形がわかりづらいことが多い。それが車体の渦状とか唐草紋様みたいな柄だ。以前はただグルグルしていただけが、最近では凝った柄も出てきていて、一応進化しているようにも思えるなど、とても気になる存在である。

 まず気になるのはどこで売っているのかということ。そもそも市販品があって、開発部から「いつもの渦のやつ、3台分よろしく」みたいに発注していたりするのかという、根本部分からしてわからない。

 そこで当事者、つまりいくつかのメーカーの開発責任者に聞いてみたところ「市販品なんてあるわけないじゃないですか(笑)」と全員が一蹴。そりゃそうだ。あったとしても、超限定用途なので、商売にはならないだろう。

 では、どうしているのかというと、あるメーカーの開発者が教えてくれた答えがびっくりというか納得で、「あの柄は社内で作っているんですよ、つまりデザイナーがデザインしています」という。確かに、本職というか本業だけにお手の物だし、どんな柄にしたらシルエットがわかりにくいのかも決めやすい。決定したデザインをカッティングシートに印刷して使用しているとのこと。ちなみによく見ると、切り貼りしていてけっこう雑だったりする。いわゆる、マットカラーみたいなラッピングとは違うというか、きれいに貼る必要はまったくないだろう。

 だから、メーカーやクルマによってよく見るとデザインは違うし、進化もしていたりするわけだ。以前であれば真っ黒いシートを貼っていたり、板やシートで囲ってわからないようにしていたが、渦タイプのほうがスマートではある。

 ただ、開発者に聞いても、海外からやってきた程度しかわからず、誰が考えたのかも不明。いくら目を凝らしてもシルエットや凹凸などはわからないだけに、考えた人は天才と言っても過言ではないかも。今後の進化にもよーく目を凝らして注目してほしい。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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