女性じゃ踏みたくなくなるほど重たい車種も! MT車のクラッチペダルの重さがクルマによって違うワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

◼︎そのクルマのパワーとトルクによって、クラッチの重さが決まる場合が多い

◼︎最近の強化クラッチは軽くなっている

◼︎素材の進化によって、少ない力で高い圧着力を発揮するクラッチもある

パワーとトルクが上がるとそれに見合った伝達力が必要になる

 エンジンのパワーとトルクが上がると、クラッチにもそれに見合った伝達力が求められる。クラッチの伝達力を高めるには、クラッチカバーの圧着力(クラッチディスクを押しつけるスプリングの力)を強化するか、クラッチディスクを摩擦係数の高い巣材に変更するか、クラッチディスクの枚数を増やすのが一般的。

 市販車でいえば、スカイラインGT-R(R32)が登場したとき、ノーマルクラッチでもえらくクラッチが重いといわれたが、あれは2リッターのGTS-tタイプMなどと同じ240φのクラッチディスクを使って、クラッチカバーだけ強化したため(RB20用が580kg-mだったのに対しRB26用は750kg-m)。それをフォローするために、クラッチにもマスターバックをつけたがそれでもかなりの踏力が必要で、クラッチペダルは重かった。

 そこでR32 GT-Rの後期型からは、クラッチをプッシュ式からプル式に変更。ダイヤフラムを操作するレバー比を大きくすることができたので、圧着力を850kg-mにアップしつつ、ペダル踏力を軽くすることに成功した。

 R33以降もこのプル式は継承され、ディスクのサイズもR33では250φになっている。ちなみにR32よりもあとから登場したNSX(NA1)は、純正でツインプレートクラッチを採用したレアな車種として知られている。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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