中間地点で「荷物を交換」して「Uターン」! 「物流中継地点」がもたらす「絶大な効果」とそれでも残るクルマによる「物流の問題」 (2/2ページ)

物流の根本解決にはモーダルシフトが大切!

 そうしたなか、トラック運転者不足が近年の課題だ。そこで改めて、モーダルシフトを検討する必要があるのではないか。

 モーダルシフトとは、物流手段を転換することをいう。たとえば、いまはトンベース、トン・キロベースともに利用の低い鉄道を再検討してもいいのではないか。

 赤字続きといわれてきたJR貨物が、10年ほど前から黒字に転じてきている。まさにモーダルシフトの効果であり、鉄道輸送はトラックに比べ二酸化炭素排出量が1/13といわれる。

 さらにコロナ禍にあって、乗客の減った新幹線は、貨客兼用の試験的な取り組みとして、荷物を客室に持ち込み運搬することを行った。ことに高付加価値の生鮮食料品などは、トラック輸送に比べ早く目的地へ持ち込め、当日収穫した食材をその日の夕方には消費地の店へ届けられることが実証されている。たとえば、JR東海の場合、「のぞみ」でなくても、「こだま」でもトラック輸送よりは早く、各駅に停車するので、利用しやすいのではないか。

 ネット通販が日常となった今日、トラックの運転者不足という課題と、環境対策を含め、モーダルシフトを活かした抜本的な改革こそ、時代にあった21世紀の物流を創出するのだと思う。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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