世界随一の信頼性! 日本車でもっともご長寿な「歴代ランドクルーザー」の凄さとは (2/2ページ)

14年ぶりの新型がついに登場! 納期はなんと4年待ち!?

 2021年の夏に新型の300系が登場するまで、ランクルと言えば……と、誰もがイメージできるのが、2007年デビューの200系である。車体構造を一新し、ボディ剛性、耐久性、衝突安全性能、室内の快適性が大きく向上。岩石路や泥路を走る際、自動制御で超低速を維持する「クロールコントロール」を採用するなど最先端デバイスも数多く新搭載。

 ドライバーのスキルに関係なく高度な悪路走行をイージーなものにしてくれたのである。2015年のフェイスリフトでは、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を採用。2019年には、初代トヨタ・ジープBJ型からのグローバル累計販売台数1000万台を突破している。

 そして2021年8月2日、新型300系が、長年にわたる技術の積み重ねと、最新技術の融合により素性を進化させ、「世界中のどんな道でも疲れない走り」を携えて登場。トヨタ最新のGA-Kプラットフォームを採用し、伝統のラダーフレームを刷新。

 約200kgもの軽量化、低重心化、前後重量配分の改善に成功している。6つのモード(AUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEP SNOW/ROCK)を持つマルチテレインセレクトシステムも搭載。より幅広い範囲のオン/オフロード走行を可能としている。

 時代の進化に合わせ、車両周囲の状況確認を4つのカメラでサポートするシステム、マルチテレインモニターを採用したのもニュースで、手前で撮影された直前の映像を床下透過映像としてモニターに映し出すアンダーフロアビューは、極悪路での安全性を飛躍的に高めてくれる機能と言っていい。

 パワートレインは3.5リッターV6ツインターボ、415馬力、650N・m+Direct Shift-10速AT、および3.3リッターV6ツインターボ ディーゼルエンジン、309馬力、700 N・mを用意。さらに世界一過酷なダカールラリーで鍛え、創り上げられたクルマと参戦ドライバーからの改善要望を車両開発に直接反映したGR SPORTグレードもラインアップ。世界初の電子制御でスタビライザー効果を変化させるE-KDSS、リヤに加えてフロントにも電動デフロックを搭載するなど、専用エクステリア&インテリアとともに、新世代の強くプレミアムなランクルとして、唯一無二の性能、存在感を世界に示している。

 価格は510万円~800万円。ただし、2021年8月2日以降に注文した場合、納期は1年以上先(一説によると4年待ち!?)になるというから、その需要、人気ぶりは、世界的にますます熱いものとなっている。200系の下取り・買い取り価格の驚異的な高さからも、世界的なランクル人気が今も昔も絶大ということが証明されている。言い方を変えれば、国産車の中でもっとも資産価値の高いクルマの1台がランクルということだ。

 世界の未開拓の僻地でも活躍するランクルは、まさに信頼の塊のようなクルマである。世界的に蔓延している様々な問題から工場の一時操業停止が行われた最中でも、「ランクルだけは作り続ける」、と宣言したほどで、それは信頼に応え続けるということの証であり、ランクルを本当に必要とするユーザーのためにランクルを届けるという、歴代ランドクルーザーの使命と言っていいのではないだろうか。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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