波に乗らずにクルマに乗る! 昭和の謎生態「陸(おか)サーファー」って何もの? (2/2ページ)

トヨタからはサーフの名を冠するモデルが登場!

 続いてトヨタからは車名にサーフを掲げた車種が登場する。カリーナサーフ、マスターエースサーフ、ハイラックスサーフだ。カリーナはワゴン、マスターエースはワンボックスだったが、ハイラックスはピックアップの荷台にFRPシェルを被せたスタイルで、いかにも西海岸風。実際にサーファーにも愛用された。

 トヨタは複数のボディにサーフの名を与えたわけだが、これは間違っていない。僕も湘南に数年住んでいたことがあるけれど、サーファーのクルマ選びはそれぞれのクリエイティビティをストレートに反映していて、とにかくバリエーション豊富。

 ヨーロッパからシトロエンCXアンビュランス、つまり救急車を輸入して車内を作り変え、サーファーズエクスプレスとして活用している人も知っている。

 では西海岸のサーファーはどんなクルマに乗っていたのか。雑誌やウェブでよく見かけるのはフォルクスワーゲン(VW)タイプ2だ。西海岸での空冷VWがキャルルックのように趣味の対象として親しまれていたことに加え、タイプ2は車内が広いので着替えや波待ちに使えることが大きいのだろう。

 今の日本のサーフィンシーンは、タイプ2と同じワンボックスのハイエースを使う人が多いけれど、タイプ2からはクルマ選びもライフスタイルの一部というメッセージが伝わってくる。


森口将之 MORIGUCHI MASAYUKI

グッドデザイン賞審査委員

愛車
1971シトロエンGS/2002ルノー・アヴァンタイム
趣味
ネコ、モーターサイクル、ブリコラージュ、まちあるき
好きな有名人
ビートたけし

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