大ヒット確実なのに「不安」が募る! 「カローラ クロス」発売を控えた販売現場の悩み (2/2ページ)

セールスマンはクルマの情報をあまり知らされていない!?

 “ひとり最低1台”というのはよくあることだが、“3台以上”はあまり聞いたことがない。これにはホンダ・ヴェゼルのヒットが続いていることがあるだろう。筆者は発売後早めに収束するものと考えていたが(猛省しています)、SUVラインアップの少ないホンダのなかでの新型SUVということと、先代モデルのユーザーが多いこともあり今日までヒットを続けているようだ。このヴェゼルの様子をトヨタが苦々しく思っていて、発売直後で「すでに●万台受注」とやりたいと考えているのかもしれない。

 これについて現場のセールスマンは、「配信されるスタッフマニュアルには、外観や内装の全景画像がありません。メディアへのリークというよりは、以前セールスマンがSNSなどにアップしてしまうことが続発したことがあり、それ以降内外装の全景画像はなくなりました(いまは流出させないために徹底した対策が講じられている)」と話したあと、さらに続けてくれた。

「カローラツーリングはグローバルモデルに比べると、全長が短く、全幅も狭くなっており、使い勝手はむしろカローラ フィールダーのほうが良かったともいえます。そのためツーリングに乗られるお客様のなかには不満を持たれるひともいますので、そこで『荷室なども広く、カローラクロスは使い勝手がいいですよ』と勧めたいところなのですが、その確証が得られません。そのため、積極的にカローラクロスを勧めることが難しいのです。さらに、顔つきも国内専用になるとの情報もあり、海外モデルを参考に商談を進めることもできません」と、不確定情報が多いなかで予約受注販売の難しさを語ってくれた。もちろん、半導体供給不足による納期への悪影響も懸念材料としている。

 “ひとり勝ち”とも言われるトヨタの国内販売だが、それだけ販売ボリュームも大きいだけに、半導体供給不足問題を十分考慮しながら、販売促進活動を進めないと深刻な納期遅延を招くなど、トラブルも他メーカーより大きくなってしまうので、慎重な判断のなかで発売へ向かっているようだ。カローラ クロスは厳しい状況下でのデビューとなりそうだ。


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