クルマ好きでも「そんなのあったっけ?」 名前も姿も思い出せないマイナーすぎる派生車4選 (2/2ページ)

コンセプトはよかったが個性的すぎて売れなかったモデル

3)三菱ミラージュディンゴ(1999年)

 三菱のコンパクトカーとして現在もラインアップされている「ミラージュ」。初代モデルの誕生は1978年と長い歴史を誇るが、その中には変わった派生モデルもあった。

 それが1999年1月に発表された「ミラージュディンゴ」だ。全高1600mmを超えるトールワゴン・スタイルは、当時の軽自動車でメインストリームにあったスズキ・ワゴンRを卒業するユーザーにはピッタリといえるもので、デビュー時には非常に可能性を持つ新カテゴリーのニューカマーという印象を受けた業界人も多かったことだろう。

 エンジンは、1.3リッター、1.5リッター、1.8リッターを設定。一部グレードにGDI(ガソリン直噴)テクノロジーを搭載したほか、トランスミッションにCVTを採用し、現在でも通用しそうなパワートレインとするなど、メカニズム的にも意欲作となっていた。

 とはいえ、見てのとおり縦長の個性的なヘッドライトによるフロントマスクは非常に個性的で、ユーザーを選ぶことになった。つまり人気が出なかったのだ。

 そのため、2001年には大幅なマイナーチェンジを実施、オーソドックスなフロントマスクへと変身させたが時すでに遅し。翌年にはディスコンとなり、わずか4年でそのモデルライフを終えてしまった。

4)トヨタ・スプリンターマリノ(1992年)

 最後に紹介するのがトヨタ・スプリンターマリノ。「スプリンターといえばマリノじゃなくて『トレノ』でしょう。変換ミスにもほどがある」と思ったかもしれないが、いやいやスプリンターマリノという派生モデルは実在していた。

 デビューは1992年5月、サッシュレスドアのスタイリッシュな4ドアハードトップとしてスプリンターのラインナップを充実させる目的で誕生した。カローラ/スプリンターの世代でいえばAE101型で知られる時代の話だ。

 そんなスプリンターマリノに搭載されたエンジンは1.5リッターと1.6リッター。トップグレードには20バルブの4A-Gが搭載され、後期型では6速MTが組み合わせられた。全高1315mmと空力に優れたボディは、スポーツドライビングの視点からも高いポテンシャルを持っていた。

 なお、兄弟車としてカローラには”セレス”が用意された。カローラセレスについては空力の良さが評価されJTCCに参戦するなどしたが、スプリンターマリノではそうしたモータースポーツでの活躍もなく、それも存在の薄さにつながっているのだろうか。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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