他メーカーの競合はほぼ不要! 現金よりローンが吉! イマドキの新車「値引き」術とは (1/3ページ)

この記事をまとめると

■最近の新車購入では現金よりもローンのほうが値引きが多いケースも

■以前に比べて他メーカーのライバル車との競合は意味がなくなってきている

■ただしトヨタ車を引き合いに出すのは効果がある

現金よりもローンのほうが値引きが引き出しやすい

 いまや新車を値引きして購入するのは当たり前のようになっているが、新車の価格が“車両本体価格”と呼ばれていたバブル経済のころあたりまでは、値引き交渉せずに、つまり定価で買おうとするひとが意外に多かった。「バブル経済のころはすでに値引き販売が恒常化していました。しかし、メーカーサイドは値引き販売が行われていることは公式には認めていませんでした。そのようなころに、“新車が値引きできる”ということを知らずに買いに来るひとが、しばしばいたそうです。新車販売では必ずしも値引きして販売する必要がないことはいまも変わりません。ただ、当時でも破格の値引きが飛び交うのが半ば当たり前だったので、値引きが出来ないと思っているお客であっても、セールスマンから値引きを申し出ることもあったそうです」とは業界事情通。

 新車販売時における値引きの原資は新車販売ディーラーの利益となっている。そのなかでも、車両価格内におけるディーラー利益からの値引き額充当がベースとなる。バブル経済を経てもなお値引き販売が恒常化していくなかで、車両本体価格は“メーカー希望小売価格”となり、この時点で公にも新車販売時に値引きというものは存在することとなった。

 いまは、車両価格におけるディーラー利益がバブル期より減っており、メーカー希望小売価格からの値引きをメインとしながらも、オプション装着総額からの値引き充当、ディーラーローンを利用することによる、提携信販会社から新車ディーラーへ払われるバックマージンからの値引き支援、下取り査定額への値引き分の上乗せなどが複合的に合わさることで値引き総額が形成されている。現時点で“値引きが荒れている”代表的な車種としてアルファードがある。販売現場では50万円引きぐらいからスタートとの声もあり、70万円引きも珍しくないとのこと。ただ、この50万円とか70万円というのは、前述したような個々の値引きの総合計額と受け止めてもらって構わない。

 ただし、紹介したアルファードではディーラーローンを利用して購入するケースがほとんどとなっている。ディーラーローンを利用して新車購入する際には、「月々3万円以内に収まるのなら購入してもいいよ」などといって、月々の支払い額ベースで値引き交渉するケースが多い。ややきつめ(より支払い負担の軽い)の月々の支払い予算を提示すれば、あとはセールスマンのほうで希望に沿えるように、さまざまな調整を行い、条件クリアもしくは希望条件に近い支払いプランを提示してくれるので、そこで判断することになり、商談はスピーディに進む。

「お客様がご希望する月々の支払い額をお聞きして、そこに合わせて調整するだけなので、効率的な商談ができますので、ローンをご利用していただきますと、私個人としては現金のお客様より値引きを“オマケ”することはありますね」とは現役セールスマン。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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