泥系クルマの代名詞「ジープ・ラングラー」まで電動化! それでも「らしさ」は残るのか? (2/2ページ)

PHEV化してもジープ「らしさ」は変わらない

 PHEV化にあたってラングラーはロングボディを選び、17kWhという比較的大きな容量のリチウムイオンバッテリーをリヤシート下に積んでいる。この天地方向に薄いバッテリーをラダーフレームのスキ間に収めるため、燃料タンク容量も本来4ドア用の81リッターから2ドア用の66リッターへ絞られた。結果として、4WDの駆動システム自体に大きな変更はない。

 パワートレインでもっとも大きな変更は、8速ATと一体で開発設計された「eトルク」と呼ばれるベルト・スターター・ジェネレーターで、270馬力・400Nmの4気筒・2リッターターボに組み合わされる。

 従来のオルタネーターを置換しつつ145馬力を発揮するこの電気モーターを加えることで、WLTPによるCO2排出値は79g/kmにまで下げられた。130km/hまでEVモード走行が可能で最大航続レンジは約45km。さらにICEとの協調によるシステム総計出力は380馬力、最大トルクは637Nmにも及ぶという。

 当然PHEVの常として、バッテリーが空になれば2.4トン強ものヘビーな4×4になるという訳だが、バッテリー充電は最大7.4kWのウォールボックスで約2.5時間で満了できるだけでなく、燃料消費は増えるものの、その場でアンプラグド状態でもエンジンを使っての充電が可能なようだ。無論、セレクテレインによって、ラングラー伝統の機能といえる前後のデフロックも可能となっている。

 PHEV化してもジープとして「らしさ」を保ち続けるラングラー4xe。今年後半に日本導入がウワサされながら、半導体不足などの外的要因によって延びているようだが、日本市場でもラングラーの人気が手堅いだけに来年前半が濃厚と思われる。


南陽一浩 NANYO KAZUHIRO

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