ランクル300は異例ずくめ! 超長期納車待ちに「厳しい購入審査」が存在した (2/2ページ)

ランクル300は納車時の書面が多い⁉︎

 日本向けの割り当て生産台数が少ないところへ、多数のオーダーが入ってしまったことが、あまり例を見ない長期の納期遅延を招いてしまったのだが、2022年からはさらに日本向け割り当て台数が減らされ、さらにサプライチェーンの問題も影響してくればさらなる納期遅延となるかもしれないと、販売現場は戦々恐々としている。

 そんなランドクルーザー300の納期遅延で問題視されたのが、納車後すぐに転売したりしようとする“転売ヤー”や、海外に輸出しようとするひとたちと見られるオーダーが見受けられたこと。トヨタはすでに発注したひとのなかから、転売ヤーや海外輸出業者らしき発注者へ向けキャンセルを要請するとの話もあったが、深刻な納期遅延となったあとは注文書以外に、覚書や、誓約書への署名・捺印を求めるようになっている。

 新車販売の世界では、ランドクルーザー300に限らず、「反社会的勢力ではありません」など、納車時に署名・捺印する書面が増えているのだが、ランドクルーザー300はさらに書面が増えているのである。

 まずは誓約書。“注文車を輸出しません”、“ディーラーから注文に応じられないと判断され、注文を撤回されても異議を唱えません”などなど、つまり、転売目的でランドクルーザー300を購入しないことを誓約する文書となる。さらに覚書というものへも署名・捺印が必要となる。これは、筆者がつかんでいる情報では、“納車待ち5年”と長期化(サプライチェーンがいまほど混乱する前)しているので、注文時に計上した車両の仕様や車両価格、自動車関連諸税はあくまで注文時のものであり、車両登録時に変更されたとしても、それを了承する覚書となる。

 また、法人名義で購入する場合は、法人登記簿の写しの提出が必要となるといった話もあるようだ。またいままで乗っていたクルマの下取りは行なわず、オーナー自らの自己責任で処分することを求めるディーラーもあるようだ(納車5年待ちならば、多くの下取り車は注文時に価値が残っていても、納車時には減価償却が進み価値がなくなるというリスクが高いため)。

 ここまで厳しい誓約書や覚書を交わさないと購入できないという新車は、あまり聞いたことがない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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