世界の大メーカーが「反則スレスレ」の本気バトル! なぜ市販車でニュルのタイムを争うのか? (1/2ページ)

世界の大メーカーが「反則スレスレ」の本気バトル! なぜ市販車でニュルのタイムを争うのか?

この記事をまとめると

■日本ではニュルのタイムはクルマの高性能ぶりを示すベンチマークとして捉えられている

■ホンダvsルノー以外にもポルシェvsメルセデスAMGなどがタイムを削りあっている

■現在の市販車最速はポルシェで6分43秒300、コースレコードもポルシェで5分19秒546

1990年台に入りメーカーによるタイムアタックが本格化した

 ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェ。1927年にオープンしたドイツの古いサーキットは、いつ頃からタイム・アタックの聖地として重んじられるようになったのか、ボクは具体的には知らない。

 けれど、1995年に『マイナス21秒のロマン』というキャッチとともにスカイラインのR33GT-Rがデビューしたときに大きな話題となり、それまではル・マン、スパ・フランコルシャン、デイトナと並ぶ世界的な24時間レースの開催地として知られていたサーキットというぐらいにしか思ってなかった多くのクルマ好きたちの認識がガラッと変わったような記憶があるから、日本ではその辺りから“ニュルのタイム=クルマの高性能ぶりを示すベンチマーク”として捉えられるようになっていったのだと思う。

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R33型日産スカイラインGT-Rの走行シーン画像はこちら

 全長、世界最長の20.832km。コーナーの数、超低速から超高速まで合わせて172。高低差、およそ300m。路面の舗装は新旧のつぎはぎ、荒れた箇所も多く、波打ち、ほこりっぽく、バンクもあればジャンピング・スポットもあり、コーナーの多くはブラインドで、エスケープ・ゾーンも狭い。あまりの過酷さに“緑の地獄”と呼ばれることすらある、世界でもそう類をみない超難関コースだ。

ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェのコース図と概要画像はこちら

 イヤでもクルマの総合力がはっきりと浮き彫りになるわけで、それだけに古くから自動車メーカーがテストコースとして利用することが多く、とりわけスポーツカーや高性能モデルを開発する際にこのコースで鍛え抜くケースが目立つ。

 また、一部に速度制限があったり、違法車両は走れなかったりなどレギュレーションは存在するし有料ではあるものの、一般開放日には誰もがどんなクルマ/オートバイを持ち込んでも走行することができる。つまり、ノルトシュライフェの厳しさ、難しさを体験することができるわけで、”ニュルで速い”というのがどれほど凄いことなのか”が一般の人たちにも理解できる。そうしたこともあって、メーカーによる最速タイム合戦は次第に熱を帯びて現在に至っている。

ニュルブルクリンクを走る一般車のイメージ画像はこちら

 このコースでの最速タイムにこだわるメーカーは少なくない。たとえばルノーとホンダによる、メガーヌRSとシビック・タイプRのタイム塗り替え抗争もよく知られるところだ。

ホンダ・シビックタイプRの走行シーン画像はこちら

 2014年にメガーヌRS275トロフィRが量産FF車最速タイムを刻めば、2017年にシビック・タイプRが挑戦して打ち破り、2年後の2019年にはルノーがほとんどレーシングカーのようなメガーヌRS300トロフィRを仕立て上げてタイムをさらに更新。

ルノー・メガーヌRSトロフィRの走行シーン画像はこちら

 しかもタイムを記録したマシンとほぼ同じ仕様の、カーボン・セラミックのブレーキやカーボン・ファイバーのホイールなどを備えた”ニュルブルクリンク・レコード・パック”を販売して「市販車と違うじゃん!」という他社からの突き上げをあらかじめ回避しておくという、ほとんど仁義なき戦いのようなものである。

 そして今、ホンダが来年のデビューを予告している新型のシビック・タイプRのテストをニュルで行っている真っ最中で、記録更新への期待がググッと高まっている。

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