続々と「海外流出」する往年の「国産スポーツカー名車」たち! ニッポンの宝は海外で幸せな人生を送れているのか? (2/2ページ)

旧車を維持しやすい条件が揃っている

 こうした旧車が元気な理由のひとつは気候がある。雨が少なく湿度が低い、西海岸では南カルフォルニア、内陸部に入ってネバダ州、ニューメキシコ州、そしてテキサス州といった、「サンベルト」と呼ばれる日照時間が長くて温暖または気温が高めの地域に、日系に限らず各国の旧車たちが数多く暮らしている。

 また、年式がかなり古くなっても、日本のように税金の負担が増えることもほとんどなく、また車検に相当するステートインスペクションの費用もとても安い。また、内陸部は土地の価格も安く、平均的な庶民の住宅でも複数台が常時駐車できるスペースがある。

 そうした住環境の中で、古き良き日系スポーツカーをいつまでも大切に乗り続けようという意識がある人が少なくない。

 また、パーツについても、日系も欧州系も、メーカーによる復刻パーツだけではなく、汎用性が高いさまざまな部品を扱う通販業者が複数いるなど、日本に比べるとメンテナンスにかかる費用も少なく済む可能性が高い。

 さらに、そもそもアメリカはDIY(ドゥ・イット・ユアセルフ)の文化があり、自宅ガレージで旧車の整備や、部品の自主製作をすることも珍しくない。

 このように、日系スポーツカーはアメリカに渡ると、法律の面、気候の面、そしてユーザーの住環境など社会全体の受け入れ態勢など、日本に比べて良いといえる要素が多い。

 そのほかにも、欧州やロシア、そして中東などの富裕層や一部の愛好家が日系スポーツか―を輸入するケースがあるが、総合的にはアメリカでの条件が良いと思われる。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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トヨタ・ハイエースキャンパーアルトピア―ノ等
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動物たちとのふれあい
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