最近クルマの解説で耳にする「プラットフォーム」は「シャシー」とは違う? クルマのどの部分を指すのか解説 (2/2ページ)

ホイールベースやトレッドの値を変えた共用も可!

 この前モデルと共通するプラットフォーム(フロアパネル)に、新たなデザインのボディを組み合わせて新型車を作り上げる、というのが自動車メーカーに共通したモデルチェンジの手法となっている。逆に、新型車(4〜5年サイクル)を企画するたびにプラットフォームを新設計していたら、開発時間も増えるし、開発コストも上がってしまう。また、新型車を企画するたび全面刷新が求められるほどプラットフォームの性能は短期的なものでもない。もちろん、時代にあった改良は必要だが、新たなプラットフォームをひとつ開発すれば、2世代分、場合によっては3世代分を賄っているのが現状だ。

 また、多くの車種をラインアップするメーカーでは、ボディサイズが近似した車両同士でプラットフォームを共通とするのは、常識化した車両作りの手法となっている。なお、共通のプラットフォームを使いながら、ホイールベース値やトレッド値は、必ずしも同一値になることはない。組み合わせるボディサイズ(車種)に応じて、50mm程度の仕様変更は容易に行えるからだ。

 FF車が主流を占める現在の乗用車体系にあって、基本的にプラットフォームは3タイプ(大、中、小)あれば広範な車種への対応が可能で、これはFRの場合も同じと考えてよい。また、基本は同じプラットフォームでも、サスペンションの違い(熟成、進化)によって、まったく異なるハンドリング性能を確立することも可能だ。実際、モデルェンジによって熟成の度合いを深めたプラットフォームが功を奏し、その車両自体の評価を高めた歴史事実も存在する。

 言ってみれば、プラットフォームはクルマの土台。これの良否で車両の性能、ハンドリング特性が大きな影響を受けることになる。こうした意味では、プラットフォームは自動車メーカーにとっても自動車にとっても生命線、まさに土台と言える存在なのである。


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