なぜかどこかに出かけたくなる! ノートAUTECHクロスオーバーの魅力を走って解明した (1/2ページ)

この記事をまとめると

■日産ノートシリーズにノートAUTECHクロスオーバーが登場

■プレミアムスポーティというAUTECHのコンセプトでクロスオーバーSUVへとカスタマイズ

■車高を上げただけでなくシャシーまわりに手が入れられて安定性と安心感も高められている

プレミアムスポーティをクロスオーバーで

 2020年冬に発売された日産ノート、そして2021年夏に発売が開始された日産ノート・オーラは、玄人筋の評価も上々だし、受注もなかなか好調なようだ。僕も街中での短い時間ながら多くのモデルに試乗させていいただいて、素直に好印象を抱いたものだった。ノート、ノート・オーラ、ノート・オーラ・ニスモ、ノートAUTECHクロスオーバーのそれぞれが明確な個性を持っていて、いずれも出来映えがよかったからだ。

 なかでもノートAUTECHクロスオーバーには、ちょっとばかりそそられるような気持ちにさせられた。ノートAUTECHの5ドアハッチバックの車体をそのまま利用しながらディテールに手を加えてSUVテイストに仕立て上げたスタイリングは、どちらかといえばシャープで隙のない印象が強いノート/ノート・オーラのシリーズのなかで、このモデルにしかない絶妙なかわいらしさのようなものを漂わせている。

 本格的なオフローダーじゃないことは見てわかるけど、リフトアップされているおかげで走れる場所が少し広がってることも一目瞭然。きっとシリーズのなかでもっともグランツーリスモ的な性格が強いんじゃないか? なんて考えていたら、”もうちょっと距離を走ってみたいな”という気持ちがわき上がってきたのだ。どこかに行きたくなるクルマ、なのである。

 このクルマを手掛けたのが日産本体ではなく、オーテックジャパンだというのも興味を引かれた要因のひとつだった。日産のサブブランドとして姉妹のような間柄にあるNISMOがモータースポーツに根ざした”ピュアスポーツ”をテーマにするのに対して、AUTECHは日本の職人の巧みの技と自由な発想を下敷きにした”プレミアムスポーティ”がひとつのテーマ。

 街乗りの短時間試乗では好印象だったが、AUTECHのコンセプトでクロスオーバーSUVへとカスタマイズされたノートは、1日つきあうとどういう気分にさせてくれるのか、ちょっとばかり関心があったのだ。

 これまでAUTECHブランドのクルマとして発売された8種類のモデルのほぼすべてのモデルで、半数以上のユーザーがチョイスしてきたAUTECHブルーと呼ばれるボディカラーに彩られたクルマを、じっくり観察してみる。

 ノートのスタンダード・モデルとの印象を大きく変えてる最大の要因は、もちろん車高が高くなっていることだ。今回の試乗車である4WDモデルでは、ベースのモデルの最低地上高が125mmであるところを150mmへと25mmリフトアップする一方で、全高を立体駐車場にも入れられる1545mmに収めている。

 また、タイヤをわずかに径の大きなものに換え、その周囲を彩るホイールアーチにオーバーフェンダー風のブラックのガーニッシュをあしらったこと、同色のサイドシルプロテクターとルーフレールを加えたことも、SUVらしい雰囲気作りに貢献している。

 ドット調のパターンが渋く輝くフロントグリルやヘッドランプ下側のブルーのLEDランプ、メタル風のドアミラーは、AUTECHブランドのクルマの特徴ともいえるものだ。

 インテリアに目を移すと、最初に目に入るのは独特のパターンが施されたシンセティックレザーの専用シート。そのシートやステアリング、アームレストにブルーのステッチが入っており、ダッシュのウッドパネルもうっすらとしたブルーで彩られている。

 イメージカラーのAUTECHブルー同様、オーテックジャパンの本拠地である湘南・茅ヶ崎の海や空をイメージした、これはこだわりの部分だろう。そうしたところからも、ノートのスタンダードモデルから格が上がったようなプレミアム感が漂っている。


嶋田智之 SHIMADA TOMOYUKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
2001年式アルファロメオ166/1970年式フィアット500L
趣味
クルマで走ること、本を読むこと
好きな有名人
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