販売店も要望する「ミニバン」が復活できない! マツダが悩む「魂動デザイン」と「意のままの操縦性」という自縄自縛 (1/2ページ)

販売店も要望する「ミニバン」が復活できない! マツダが悩む「魂動デザイン」と「意のままの操縦性」という自縄自縛

この記事をまとめると

■マツダからは2018年を最後にミニバンから完全撤退をしている

■需要がないわけではなく、販売現場からミニバンを求める声は多い

■マツダの代名詞「魂動デザイン」の存在がひとつの壁となっている

「デザイン」を取るか「居住性」を取るか

 マツダの現在の車種構成を見ると(OEMの軽自動車と商用車を除く)、SUVが5車種で最も多く、ハッチバック/ワゴン/セダンは3車種、スポーツカーのロードスターとなる。SUVが多い代わりに、ミニバンは用意されない。またコンパクトカーは天井の低いデミオのみで、ルーミーのような背の高い車種はない。

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 かつてはマツダもミニバンを用意したが、プレマシーとビアンテは、いずれも2018年に販売を終えた。コンパクトカーでは、全高が1500mmを上まわる少し背の高い車種としてベリーサを選べたが、これも2015年に終了している。その後にマツダが手掛けた背の高い車種はすべてSUVになり、CX-8の全高は1730mmだ。OEM車を除くと、1800mmを超える車種はない。

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 マツダが背の高いミニバンやコンパクトカーを手掛けない理由は、これらのカテゴリーが、魂動デザインとマツダが理想とする運転感覚に合わないからだ。

 魂動デザインは、もともと動物のチータが獲物を追いかける姿をモチーフにしている。そのために後ろ足を蹴り上げるようなボディ形状で、フロントウインドウの位置も後方へ引き寄せることにより、重心が後ろに位置するように表現している。そのためにボンネットは長い。つまり魂動デザインの考え方とボディ形状は、後輪駆動のものだ。前輪駆動で表現すると、造形バランスに無理が生じる。そこで次期マツダ6など、Lサイズの上級車種は後輪駆動を採用する。本来魂動デザインは、後輪駆動にすべきボディ形状だった。

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 そうなるとミニバンや背の高いコンパクトカーに採用される前輪駆動で背の高い空間効率の優れたボディ形状は、魂動デザインに合致しない。背の高いボディはSUVが限界だ。

 運転感覚については、マツダはドライバーの意図どおりに走りことを理想にする。この点でも、前後輪の重量配分が優れた後輪駆動が最適だ。前輪駆動でも、マツダの考える走りを実現できる背の高いカテゴリーは、SUVまでだ。ミニバンやコンパクトカーのハイトワゴンは合わない。

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 以上のようにミニバンや背の高いコンパクトカーは、魂動デザインとスカイアクティブ技術が理想とするボディスタイルと走りに適さないから、今は開発されていない。

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