愛車は彼女! 旧車は熟女! 「クルマと恋愛」の驚くべき類似性とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■クルマ選びは恋愛に似ているところがある

■筆者も憧れの女子に再会するような感覚でいすゞ117クーペを手に入れた

■本気で惚れて手に入れたクルマは、愛すべき彼女のようなものと言っていい

いすゞ117クーペに一目惚れ!

 運命的な出会いがあり、付き合い、そしていつか別れがやってくる。これって、男と女の恋愛のこと? じつは、クルマとの付き合いも、それと似ていると思うんです。ボクにとっての運命的な出会いは70年代。銀座の交差点を疾走する、きらびやかなネオンを反射する1台の濃紺のクーペ。当時まだ学生で免許などもっていなかったのですが、免許を取り、クルマを買うことになったなら、絶対にそのクルマにしたい!! と心に誓ったものです。そう、クルマに対する初恋、でした。とはいえ、まだクルマに詳しいはずもなく、いろいろ調べた結果、銀座で運命的に出会ったのは、G・ジウジアーロデザインのいすゞ117クーペということがわかりました。

 それから先、トヨタのセリカもいいなぁ……などと疑似浮気をしながらも、免許を取った12月、いよいよ運命の相手、いすゞ117クーペを買いに、当時、東京・芝にあったいすゞのディーラーを訪れることに。街でふと見かけた憧れの女子に、何年か後、奇跡的に出会うような感覚でした。しかし、ボクの脳裏に刻み込まれた濃紺のボディカラー、つまりアドリアブルーはなくなっていて、結果的にパルティノンアイボリーという正反対の色を選んだのです。

 それから初恋の相手、117クーペとの長年の付き合いが始まりました。彼女歴で言えば、4人ぶんの長い年月です。やがて、117クーペの後継車種とも言える、同じくG・ジウジアーロ作のいすゞ・ピアッツアに乗り換えることになりました。117クーペは10代後半から20代中半にかけての、ボクの若かりし時代に、湘南、山中湖、相模湖、軽井沢など、あちこちにドライブに出かけた最高の思い出が詰まったクルマでした。だからこそ、別れは辛い。ピアッツアを持ってきてくれたセールス氏が、下取り車の117クーペを運転してわが家を去っていく姿を、遠くに見えなくなるまで涙目で見送っていた覚えがあります。

 長年付き合った彼女と好きなまま別れ、歩いて去っていく姿をいつまでも目で追っているような感覚でした。新車のピアッツアがすぐそばにあるのに、心にポカっと穴が開いたように。以来、20台以上のクルマと疑似恋愛をし、そんな経験を幾度となく繰り返してきたのです(そこまで思い入れのあるクルマは全車ではありませんが)。

 さて、ここからが本題です。男子にとってクルマは恋愛対象の彼女。女子にとっても愛車は恋愛対象の彼氏のような存在ではないか? の検証です。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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