2021年はクルマの技術の当たり年だった! ジャーナリストが「驚き、感動した」新技術5選と搭載車 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2021年の日本の自動車業界には新しく魅力的な新型車が続々登場した

■それら新型車には未来につながる最新技術・最新装備が搭載されているものがあった

■それら最新技術の中から筆者が「驚き感動した」ものを5つピックアップした

2021年の自動車業界に登場した未来につながる最新技術

 2021年の日本の自動車業界は、コロナ禍や半導体問題などざまざまな問題があった一方、新しく魅力的な新型車が続々登場した1年でもあった。2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーのイヤーカー選定で、選考委員がいつになく悩んだのも、その表れと言っていい。

 ここでは、2021年後半に登場した、2021年を締めくくり、2022年につながる最新技術、最新装備を、「筆者が驚き、感動した」という視点で5点を選び、紹介させてもらうことにした。

1)トヨタMIRAIのAdvanced Drive

 まず、筆頭に挙げたいのがトヨタMIRAIである。水素社会を目指すFCV(燃料電池自動車)であることや、電気で走るそのスムースさ、圧巻の静かさは当然として、さらなる感動と驚きを得たのが、現時点でレクサスLSとこのMIRAIに用意されているAdvanced Driveの機能である。無線通信、または販売店での有線接続でクルマの購入後も常に最新のソフトウェア(制御ソフトおよび高精度地図ソフト)に更新可能で、その更新によって機能・性能が段階的に進化し、最新の運転支援を提供してくれるというものだ。

 では、どんなところに驚いたのか? それはまず、ナビゲーションで目的地を設定していることが前提ながら、ドライバー監視(カメラがドライバーを見ている)のもと、システムが認知、判断、操作を支援。高度なACC+レーンキープのような車線、車間維持、カーブ手前減速制御を行ってくれるほか、なんと分岐、車線変更、追い越しまで自動で行ってくれるのだから、ほぼ自動運転レベル2.5に相当。

 ドライバーは、高速道路や自動車専用道路の本線上を走行中、アクセル、ブレーキ、ステアリングの操作から解放されるのだ(なお、Advanced Driveを使わなくても、トヨタ最新のTOYOTA SAFETY SENSE=先進運転支援機能を使ったドライブができる)。とはいえ、ここまでは国産車でも同様の機能を持つクルマはある。

 実際にAdvanced Driveで目的地設定をして高速走行をした経験から、さらなる驚きがあった。その高機能はもてなし感に溢れていて、たとえば、トラックのような大型車を追い越す際は、並走するクルマから距離を取った右寄りに走行して追い越すことで、大型車に対する不安を回避してくれるのだ。これはありがたい。

 しかも、合流地点では、合流してくるクルマを早期にとらえ、早目に減速し、相手車両のスムースな合流を支援するホスピタリティまで備えているから安心である。さらに、走行車線の先で車線が減少するようなルートでは、早目にレーンチェンジを行い、本車線をキープ。

 まさに、自動運転に限りなく近いアドバンスドドライブを可能にしてくれるのだからびっくりである。ドライバーはメーターやナビゲーションを見ているは必要ない。運転視界に大きく表示されるフロントウインドウに映し出されるカラーヘッドアップディスプレイを見ていればいいだけである。もちろん、Advanced Driveからの許可が下り、メーターの盤面がブルーに変われば、ハンズフリーのドライブが可能となるというわけだ。

 これをトヨタは自動運転とは言っていないのだが、Advanced Driveでのドライブは、まさに自動運転気分だったのである。そして極めつけは、レクサスLSであれば1600万円以上のグレードになるところを、MIRAIでは845万円から、そうした先進機能を堪能できる”割安感”にある(補助金あり)。

2)アウトランダーPHEVの進化したS-AWC

 アウトランダーの進化もすごい。アピアランス、インテリアの質感、シートのかけ心地、PHEVならではのスムースで静かな走行性能、自慢の走破性、PHEV×3列シートの設定……など、新型らしさは満点だが、さらに注目すべきは、モーター出力、バッテリー容量、燃料タンク容量を拡大した結果、EV航続距離の延長とともに、最大約1000kmの航続距離を達成したこと。

 そして、最大の進化ポイントと勝手に思っているのがS-AWCの進化で、前後輪でのブレーキAYC制御による超絶な曲がりやすさ、意のままの操縦性といった、三菱自動車の持つPHEV、電動車としての電動化&四輪制御テクノロジーの磨き上げである。

 給電が可能で走破性に優れたPHEV×AWDの組み合わせは、災害大国、地震大国の日本において不可欠かつ最強であり、なくてはならないクルマでもあると思っている。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

新着情報