新興メーカーは「ダメ」! クルマは「産地」も重要! 柔軟性のない日本人がこだわる「偏ったブランド」志向 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■世界的には韓国製タイヤなどはブランドとして認められている

■日本ではアジアのタイヤなどは格下の意識が高い

■自動車もメーカーだけでなく「生産地」にこだわるのは日本人特有だ

世界では日本以外のアジアのタイヤもブランド化している

 2022年がスタートした。新車販売の世界では、サプライチェーンの混乱による納期遅延が改善されないまま年を越したことになるが、1月1日から、トーヨータイヤとニットータイヤについて、国内市販用タイヤ出荷価格の改定が行われた。天然ゴムをはじめ原材料価格が高値で推移しているなか、企業努力だけでは吸収できないため値上げされたのである。

 ダンロップ及びファルケンブランドのタイヤメーカーである住友ゴムも、すでに2022年3月より夏用、2022年4月より冬用タイヤ価格を約10%値上げすることを発表している。値上げの理由はトーヨータイヤと同じである。

 アルミホイールについては、中国国内の電力不足により、週に3日しかも深夜だけ操業可能など、各工場の稼働が厳しく制限されていることで、中国で生産されるアルミホイールだけでなく、アルミ製造に必要な溶剤も品薄となり、2021年秋ぐらいから品薄状況が続いているなか、やはり価格上昇というものが取りざたされている。

 タイヤに関しては、あくまで聞いた話であり、その真偽は不明であるが、某日系メーカーの新車が見たことのないブランドのタイヤを履いていたとの話を聞いた。ピカピカの新車だったそうで、納車後ブランドタイヤでもない、格安市販タイヤに履き替える理由はまずないので、完成車工場で装着されるOEMタイヤと思われるが、市販に比べ、さらにコスト要求の厳しいOEMタイヤについて、完成車メーカーが求める要件をクリアしていれば、今後は、品薄状況も目立ってくれば、お馴染みではないブランドのタイヤを履いた新車が納車されることが多くなるかもしれない。

 市販タイヤの世界では、すでに海外の格安タイヤが多く流通している。クルマの使用頻度の多い人なら、タイヤ交換頻度も多くなるので、コストが最優先されることになるだろう。「タイヤにそんなにこだわらない」というひともいるだろうが、一方で新車納車時に「タイヤはどのブランドを履いているのかな」と気にするひともまだまだ多いのも確かである。

 日本では馴染みが薄いので、韓国ブランドのタイヤを“格安ブランド”と思っているひとが多いが、グローバルマーケットでは“ブランドタイヤ”と位置づけられており、中国やアメリカなど海外で現地生産される日本車では当たり前のように完成車製造時に装着されていることが多い。先日、欧州の高級ブランド車をまとめて2車種借りて撮影するお手伝いをしたのだが、上級車種が韓国ブランドタイヤで、弟格のようなモデルは欧州系の誰でも知っているブランドのタイヤを履いていたのを見て少々驚いてしまったが、海外での韓国タイヤの位置づけは、もはやブランドタイヤとなっているのだなと感じた。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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