新興メーカーは「ダメ」! クルマは「産地」も重要! 柔軟性のない日本人がこだわる「偏ったブランド」志向 (2/2ページ)

日本人はクルマの原産国にもこだわる国民性

 話はそれるが、あるドイツ系高級ブランドのあるモデルは、ガラスすべてが中国系メーカーのものとなっている。そして、この中国系自動車ガラスメーカーの製品は、部分的とはなるが欧州ブランド車で広く使われている。しかし、筆者がチェックしてきた限りでは、日系ブランドの国内仕様車では見たことがない。国内生産では海外製を用いても、それほどコスト削減効果などのメリットがないとの理由もあるのかもしれない。

 完成車メーカーが自社の基準を満たしていると認めているからこそ、採用されているのだろうし、多くの人が“ガラスのブランド”などに興味を示すことはないだろう。

 30数年前に我が家のマイカーを購入する時には、メーカーオプションで“某大手メーカーのタイヤ指定”というものがあり、選択したことがある。つまり完成車としてラインオフされる時にそのメーカー製タイヤが必ず装着されるというオプションであった。

 当時のセールスマンになぜこのようなオプションがあるのかと聞くと、「そのタイヤメーカーの社員さんは、タイヤが他メーカーのものだと自動車通勤できないので用意されているようです」と説明をしていたのをいまも覚えている。下取り車のタイヤ表面のひび割れがひどいので父親が、「そのメーカーのタイヤにしたい(下取り車は違うブランドタイヤを履いていた)」というのでオプションを選んだのだが、タイヤが悪いのではなく、父親の日常メンテナンスに問題があったのは明らかだったのだが、そこに言及すると新車に入れ替えてもらえないかもしれなかったので黙っておくことにした。

 ただ、現状はともかく“もの作り大国日本”というものを強く抱いていることもあるのか、日本人の多くはクルマ自体の原産国にもこだわることは世界的にも有名な話(日本車なら日本製、欧州車なら最低限欧州製)。そこら辺の消費者心理を無視したりするなど、扱いを間違えると、たちまちネガティブに働くことにもなりかねないのである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

-

愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

新着情報