「ミニカトッポ」に「アルトハッスル」! 「トール軽」バカ売れ前夜の「挑戦車」たち (2/2ページ)

ユニークな見た目は良かったが、使い勝手で言うと詰めが甘かった

 しかし、全高が1700mm前後の軽乗用車はそれ以前から存在していた。印象に強く残っているのはミニカトッポだろう。初代モデルは1990年に発売され、全高はQ2などのベーシックグレードが1695mm、Q2-4は1745mmと高い。今のスーパーハイトワゴンに近い数値だった。

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 1991年にはアルトハッスルも登場した。全高を1660〜1685mmまで高めて、主にボディ後部の室内空間を広げた。

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 これらの背の高い軽自動車は一時的に注目され、ミニカトッポは2代目にフルモデルチェンジされた後、トッポBJに発展している。それでも長続きはしなかった。その理由は、アルトハッスルを含めて、背の高いボディを備えるのに前後席の居住性があまり向上していないからだ。

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 居住性や空間効率を向上させるには、天井だけ高く設定してもあまり意味はない。頭上の空間が広がって開放感は得られるが、足もと空間は拡大しないからだ。

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 天井を高くしたなら、シートの着座位置も持ち上げて、床と座面の間隔を広げる必要がある。そうすれば乗員の足が前方へ投げ出されず、手前に引き寄せられるから、軽自動車の限られた室内長でも足もとが広く感じられるのだ。

 その点でミニカトッポやアルトハッスルは、ウインドウの広い外観には独特の個性が伴って車内も明るく開放的だったが、着座位置はあまり変わらないから居住性も向上していない。つまり情緒以外の実用的な価値が弱かった。

 その一方で、1993年には初代ワゴンRが登場した。外観と車内のレイアウトは、ミニカトッポやアルトハッスルとは大きく異なる。売れ筋グレードの全高は現行型と同程度の1680mmで、着座位置も天井に合わせて高められた。

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 そのために初代ワゴンRの乗車感覚はミニバン風で、着座位置も高めだから、乗員の足が前方へ伸びず、足もと空間が広く感じられた。とくに1998年10月以前に発売されたミニカトッポと初代ワゴンRの全長は、今に比べると100mm短い3295mmだ。初代ワゴンRは優れた空間効率が注目されて人気車になり、1995年にはライバル車の初代ムーヴも登場した。

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 それ以来、着座位置の高い設計が軽自動車の主力になり、タントやN-BOXといった今のスーパーハイトワゴンに繋がっている。背の高い軽自動車が生き残れるか否かの境目は、シートの着座位置と主に後席に座る乗員の快適性にあった。

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名前:
渡辺陽一郎
肩書き:
カーライフ・ジャーナリスト/2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
現在の愛車:
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味:
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
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