これぞ本物の「ガンダムデザイン」! 日本人がデザインした「エンツォ・フェラーリ」は公道を走るF1だった (2/2ページ)

公道のF1といわれた「F50」の後継は「快適な」公道のF1だった

 エンツォ・フェラーリの話に戻ろう。F50でカーボンモノコックを使用し、それにパワーユニットを剛結する、いわばオンロードを走行できるF1マシンを実現したフェラーリだが、このエンツォでは同様にカーボンモノコックを使用しながら、リヤにはサブフレームが接続され、その上に6リッターのV型12気筒自然吸気と、6速セミAT(F1マチック)などからなるパワーユニットが搭載される。

 これはF50がサスペンションまでをF1マシンと同様にパワーユニット直結の構造としたために、ロードカーとしてはあまりにもハードなインプレッションを感じさせるモデルとなってしまったことに対しての策でもあった。

 最高出力で660馬力、最大トルクでは657Nmを誇るエンツォの6リッターユニットが、F50のそれとメカニズム上大きく異なるのは、バルブレイアウトがF50の5バルブから、エンツォでは4バルブ方式となっていること。燃焼室はコンベンショナルなルーフ型で、フェラーリの発表によれば、細部設計にはさまざまな可変機構が用いられている。可変バルブタイミング機構、油圧ラッシュアジャスター機構、吸気系の通路の切り替えによる可変慣性過給システムなど、細部のメカニズムに目を向ければさらに触れなければならない部分は多くなる。

 前後のサスペンションは、まさにレーシングカーそのものといってもよいデザイン。タイヤはブリヂストンの「ポテンザRE050スクーデリア」が専用装着タイヤとされていた。ブレーキはブレンボ製のカーボンセラミックディスクを採用し、これによってバネ下重量は12kg減った。

 0-100km/h加速で3.65秒、0-200km/h加速では9.5秒。そして注目の最高速は350km/h以上と発表されたエンツォ・フェラーリ。その生産台数は399台とされた。

 その誕生から20年が経過し、フェラーリのスペチアーレはラ・フェラーリを経て、そろそろニューモデルの話題も聞かれるようになってきた。はたして次なるスペチアーレはどのようなメカニズムを持つのだろうか。もちろんそこに「電動化」というキーワードが加わることは、まず間違いのないところだろう。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
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