なんと2022年に新型登場って正気か!? 100年も実用性ゼロの「3輪車」を作り続ける「モーガン」の衝撃 (2/2ページ)

2011年にまさかの復活、そして2022年にフルモデルチェンジ

 また、シアトルのリバティモータースはモーガン・トリビュートモデルとしてリバティ・エースなる3ホイーラーを製造。ハーレーダビッドソンのエンジンを積んだエースは、その出来栄えの良さから本家モーガンの3代目社長チャールズ・モーガンに利権が買い取られ、なんと2011年には本家3ホイーラーとしてリバイバルされたのでした。

 その後も2021年まで3ホイーラーは販売が続けられたほか、EVモデルすら模索されましたが、パワーユニット供給元の不備から(モーガンは自家製エンジンを一度も製造していません)断念せざるを得なかったようです。

 が、3代目社長はへこたれることなく、EVモデル開発中のデータを巧みに生かし、まったくのブランニュー3ホイーラー、その名も「スーパー3」をリリースすることに! 最大のトピックスはフォードの供給する1.5リッター3気筒直列エンジンを、前車軸より後ろのボディ内に搭載したことでしょうか。

 また、EV計画の際に培ったモノコックシャシー研究も功を奏し、全長3.6mのボディは旧型よりわずか120mmしか全長が伸びていません(エンジン内臓になったにもかかわらず)。旧型と手法は異なりますが、アルミパネルによるボディも踏襲した結果、車重は635kgに収まるので、118馬力のマックスパワーでも野蛮なほどの走りとなること、想像に難くありませんね。

 さらに、イギリスらしいオプションとして、機能的サイドパニアやリヤマウントラックが用意されており、ミニマムな車体ながら大陸旅行だってチャレンジできそうです。この他にもツールボックスやカメラ、ウィンドデフレクターなど200種以上のオプションが選べるなど、実質的にオーダーメイドと呼んで差し支えないクルマといえるでしょう。

 価格は4万ポンド(600万円強)とのことですが、クルマでもバイクでもない乗り味と、3ホイーラーならではのルックス、そしてなにより「冒険心」を手に入れる値段としてはじつに適正な設定ではないでしょうか。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

文筆業

愛車
三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
趣味
DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
マルチェロ・マストロヤンニ/ジャコ・パストリアス/岩城滉一

新着情報