ガソリン価格「爆騰」でも家計への負担は激減! 30年前のクルマと1000km走るのにかかる「燃料代」を比べたら驚きの結果に (2/2ページ)

30年前の負担は現在の1.5倍だった!

 さらにガソリン価格の統計データを見ていくと、レギュラーガソリンが年間平均の最安値だったのは1999年で、なんと99円/Lと今からすると考えられないほど安かった。さらに条件を合わせるべく3月第二週の平均価格を調べてみると91円/Lとなっていた。

 この頃、新車で販売されていたカローラは1995年にフルモデルチェンジした110系モデルで、同じく1.5リッター・FF・5速MT車の10・15モード燃費は18.8km/Lとなっていた。

 現在のWLTCモードと当時の10・15モードではリアルワールドでの燃費との乖離がだいぶ異なるためにカタログスペックだけで計算するのは正確な比較とはいえないが、あえて単純化するために上記の数値をもとに、各世代のカローラが1000kmを走ったときの燃料代を計算してみよう……。

1992年:7561円

1999年:4840円

2022年:5000円 ※JC08モードで計算

 当然のようにガソリン価格が史上最安値状態だった1999年が1000km走行時の燃料代ももっとも安くなっているが、燃費性能向上によって2022年と比べても大差ない。それにしても、30年前にはガソリン価格が高騰している現在であってもユーザー負担は1.5倍もあったというのは意外な結果だ。

 1990年代前半といえば、趣味としてドライブをあげる人は多かった時代。あの頃のドライブというのは思いのほかコストのかかる趣味だったのだ。

 さらに、10.15モードが実際の燃費と乖離していたのは前述の通り。個人的には、10.15モード燃費を出すのは奇跡的に難しいが、JC08モードは高速巡行で同じくらいの数字が出せ、WLTCモードであれば丁寧に走ってやれば日常的に実現可能という印象だ。

 そう考えると、30年前に比べてドライブにかかるガソリン代という負担は半減しているといってもいい。ガソリン価格が安かった1999年と比べても同じことはいえる。ガソリン価格は上がっていても、燃費性能の向上が上まわっているため、ユーザー負担としてはだんだんと下がっているというのが長い目で見たときの結論となるだろう。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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