単なるスポーツカーとは違う! 簡素ならいいワケじゃない! 「ピュアスポーツカー」って何? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■「ピュアスポーツ」と呼ばれるクルマがある

■ルーツは1920~30年代のイギリス車

■ピュアスポーツカーの条件について解説する

ルーツは1920~30年代のイギリス車

「ピュアスポーツ」と呼ばれるクルマの条件は何なのか。

 ピュアスポーツカーのルーツは1920~30年代のイギリス車といわれている。この頃のスポーツカーは,乗用車のパワートレインを流用し、それを2シーターのショートホイールベースにし、オーバーハングを切り詰め、屋根も取っ払って軽量化し、運動能力を高めたクルマになっていた。

 簡単にいえば、快適性や居住性を犠牲にしてでも、運動性能を特化させたクルマ。それがピュアスポーツカーということになる。

 車種的にいえば、スーパー7やロータスエラン、ロータスエリーゼなどがその代表。国産車でいえば、マツダのロードスターはピュアスポーツカーとして認められている。これらのクルマに共通していることこそが、ピュアスポーツカーの条件になってくる。

 第一に軽量であること。理想はずばり1t以下。1200kgクラスだとピュアスポーツとしてはけっこう厳しい。1500kgを越えたらハイパフォーマンスカーではあっても、スポーツカーとは言い難くなってくる!?

 次に重量物が車体中央に集まっていること。ミッドシップ(MR)かフロントミッドシップのFRで、2シーターが有利。

 そして重心が低いこと。ワイドトレッドにすれば、相対的に重心は低くなる。逆にスペース効率のいい、ギアボックスとエンジンが二階建てになっているようなFF用のパワートレーンは重心位置が高くなるので×。FFエンジン流用のミッドシップもこの点ではマイナス。

 もちろん前後の重量バランスも重要。50:50が基準だが、同じ50:50でも、ボディの先端・後端が重たいと、Z軸まわりの慣性モーメントが大きくなって、運動性能、操縦性をスポイルするので末端は軽く、オーバーハングは短くしたい。

 あとは駆動伝達効率の高さ。クルマは加速すると慣性の働きでリヤが沈む。タイヤのグリップ力はF=μmgなので、タイヤにかかる荷重の大きさに比例する。つまり駆動伝達効率が高いのはリヤ駆動車ということ。トラクション性能だけでいえば4WDが一番だが、4WDにするとそれだけで100kgぐらい車重が増すのでピュアスポーツカーの精神に反してしまう……。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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