ぶつけちゃったのは「クルマのせい」かもしれない! 「運転しやすいクルマ」を決める5つの条件とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■運転しやすいクルマにはさまざまな要素がある

■小さいクルマを指すと思っている人も少なくないが、決してそれだけではない

■運転しやすいクルマの条件を5つピックアップして紹介する

運転席に座った時の感覚が重要

「運転しやすいクルマ」と聞くと、「小さいボディサイズのクルマ」のことを指すと思っている人も多いのではないでしょうか。それは一見正解のようですが、完全なる正解とは言えません。もちろん、狭い道を走る際には小さいサイズというのも条件の1つにはなります。でも、小さくても運転しにくいクルマ、疲れたり操作ミスをしやすいクルマというのもあります。ではいったい、ボディサイズに関係なく「運転しやすいクルマ」とはどんなクルマなのでしょうか。今回はその条件をピックアップしたいと思います。

 まず1つ目の条件は、何の装備も使わず、ただ運転席に座っただけで広い視界が確保されていること。死角がなるべく少ないこと。運転中、ドライバーはとても多くの情報を「目」から得ていますので、一度に必要な情報が多く得られるほど、運転がラクに正確になり、安心して走れるようになります。自動車メーカーもそこはよくわかっていて、日々、広い視界を確保するための技術を磨いています。とくに世界中を驚かせたのが、通常Aピラーと呼ばれるフロントピラーとは別に、A’ピラーと呼ぶべき2本目のフロントピラーを作ることで細さと衝突安全性能を両立した、現行のホンダ・フィットの新構造フロントピラー。なんと、従来の116mmからわずか55mmという細さを実現して、圧倒的に広いパノラマ視界を達成して見せました。今までは見えにくかった左右の斜め前や、上下方向の視角も大きく取れて、別格の安心感をもたらしています。

 2つ目の条件は、その視界の広さを存分に享受するために欠かせない、適正な運転ポジションが取れること。身長など体格によって適正な運転ポジションは人それぞれ変わってくるので、シートやステアリングの調整機能を使って、自分で合わせる必要があるため、正しい知識がないと適正に合わせるのは難しいものです。また、軽自動車やコンパクトカーなど低価格のクルマになるほど、コストの関係もあって調整機能が簡素になっていることが多いのも事実。無段階での調整ができるシートよりも、ピタリと合った運転ポジションが取りにくくなってしまいます。

 これは今後、さらに改善してほしいところですが、メルセデス・ベンツではCクラスなどに「シート位置自動調整」という機能が搭載されています。この機能は、自分の身長を画面に入力して「位置調整を開始」というスイッチを押すだけで、シートがその人の体型をスキャンしはじめ、最適なシートポジションに合わせて自動調整してくれるというものです。これなら誰でも、適正な運転ポジションに合わせやすくなっていいですね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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