お金もかかるし安全面でもマイナス! スタッドレスの「寿命を縮める」タイヤの保管方法とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■スタッドレスタイヤのオススメな保管方法を紹介

■直射日光や高温に晒される環境は避けたほうがいい

■アイスバーンでの性能は保管の方法に関わらず2シーズンほどと言われている

冬までお役御免なスタッドレスタイヤの正しい保管方法とは

 降雪地帯を拠点としている人は、ウインターシーズン中、スタッドレスタイヤの装着はほぼ100%だろう。こうした人たちが路面に氷雪のない期間、どういったタイヤの使い方をしているのか、気になったことはないだろうか。

 スタッドレスタイヤは、トレッドゴムのしなやかな動きで「氷路」を捉えることが、その基本的な動きとなっている。言うまでもなく、氷路に対するスパイクピンの物理的なグリップのメカニズムが、ドライ舗装路では粉塵公害の原因となるためスパイクタイヤの使用が禁止され、それにとって代わる氷路用タイヤとして考え出されたのがスタッドレスである。1980年代に登場した当初は、スパイクタイヤとの氷路性能差が大きく、実用に際して性能が不安視されるケースも多々あったが、日々積み重ねる技術の進化が氷路グリップ力の向上を実現し、シーズンごとに実用性能を引き上げているのが現状だ。

 それでも、氷路にスパイクピンを突き立てるスパイクタイヤの氷路グリップにはおよばないが、トラクション性能(加速、ブレーキング)、旋回性能(横方向グリップ)は確実に向上を果たしている。また、ウインターロードは、氷路走行より積雪路走行のほうが多く、スタッドレスタイヤにはスノータイヤとしての性能も求められている。悪いことに、氷路と積雪路ではタイヤに求められる性能が相反するために、両者を高いレベルで両立させるトレッドゴム、トレッドデザイン、タイヤ構造の開発に高い技術が求められることになる。

 スタッドレスタイヤを構成するこうした各要素のなかで、もっとも大きなウエイトを占めるのがトレッドゴムだ。トレッド面(トレッドゴム)をしなやかに動かし、氷路面に密着させてグリップ力を得るためで、強靱で柔軟なトレッドゴムが必要となる。このトレッドゴムの柔軟性を作り出しているのが、トレッドゴムに含まれる溶剤なのだが、揮発する特性があり、揮発してしまうとトレッドゴムが硬くもろくなってしまうのだ。

 シーズンが過ぎ、取り外したスタッドレスタイヤを保管するには、トレッドゴムの柔軟性を維持することに考慮したい。ここでは、こうすればよい、という言い方ではなく、こうしてはダメだ、というネガティブな要素を挙げていくことにする。


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