究極のフェラーリともいうべきその名は「ラ フェラーリ」! 名前と共に世間を驚かせた衝撃の中身とは (2/2ページ)

フェラーリのロードモデル初のハイブリッド・ハイパーカー

 センターモノコックの後方に搭載されるエンジンは、6262ccのV型12気筒DOHC。これに2基のエレクトリックモーターを組み合わせるシステムは、2010年にフェラーリがコンセプトカーとして製作し、ジュネーブショーで発表した599HY-KERSのそれと基本的に同一のもの。エレクトリックモーターの1基はエンジンをサポートするために使用されるが、エンジン前方に搭載されるコンパクトなモーターは、補機類などの駆動に使用されるのみである。

 したがって、マイルドハイブリッドとなるラ フェラーリでは、ゼロエミッションのEV走行は不可能だ(後日、V型12気筒エンジン音が聞こえないラ フェラーリがニュルブルクリンクのパドックを走行していたという噂も流れたが)。

 最高出力はエンジンが800馬力、エレクトリックモーターは163馬力という数字。トータルの最大トルクは900Nmに達する。このトルクは、7速DCTを介してもちろん後輪を駆動。モノコックの後部フロアに設けられた専用スペースには、スクーデリア・フェラーリの製造したバッテリーが60kg分搭載されている。

 サスペンションはフロントにダブルウイッシュボーン、リヤにはマルチリンクを採用。さらに磁性流体ダンピングシステムの「SCM-E Frs」が組み合わされ、新構造のCCMディスクを採用したブレンボ製ブレーキシステムなどとともに強靭なフットワークを構成する。タイヤはフロントが265/30-19、リヤは345/30-20のサイズ設定。ピレリの専用開発によるPゼロが装着されている。

 0-100km/h加速で3秒未満。最高速は350km/h以上を達成するというラ フェラーリ。その生産台数は499台に限定されたが、後に2016年に発生したイタリア中部地震へのチャリティのために500台目のラフェラーリが生産されている。

 また、同年にはオープン仕様の「ラ フェラーリ・アペルタ」が発表され、こちらはチャリティ用の1台を含め、210台が限定生産された。

 このラ フェラーリの登場からすでに9年が経過している。そろそろ次なるスペチアーレの噂が聞こえてきてもおかしくなさそうであるが、もし次期型スペチアーレが登場するのであれば、そのネーミングにも大いに注目したい。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
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