ガソリン車の惨敗! EVだけが突入できる0−100km/h加速1秒台の世界 (2/2ページ)

EVハイパーカーの登場で勝負は1秒台の世界に突入

 また、加速といえば、ポルシェ911ターボだが、650馬力の911ターボSの0-100km/h加速のタイムは2.7秒。ポルシェのもうひとつの最高峰、911GT3(510馬力)だと3.4秒となっている。

 F1でコンストラクターズ8連覇中のメルセデルAMGが誇るGT 4ドアクーペの0-100km/h加速は3.2秒だ。

 ちなみにもう少し身近なスポーツモデルでは、スバル WRX STI タイプS(308馬力)が5.2秒。FF最速のホンダ・シビック・タイプRが5.7秒。

 50系プリウスのパワーモードで10秒フラットといわれているので、0-100km/h加速が2秒台というのは恐るべき速さだというのがわかるはず。

 こうした加速性能には、エンジン出力とタイヤのグリップ力はもちろん、車重の軽さ、そしてローンチコントロールやDCTの優秀さが大きく影響してくるが、カーボンなどのハイテク素材+最新電子制御技術を駆使しても、0-100km/h加速の上限は2秒台と考えられてきた。

 しかしここに来て、ついに2秒の壁を突き破り、1秒台を記録するマシンが登場している。2021年に発表されたクロアチアのリマック・ネヴェーラの0-100km/h加速は、脅威の1.85秒! 1/4マイル(402m)は8.6秒、0-300km/h加速は9.3秒、最高速度は415km/hと記録ずくめのパフォーマンスだ。

 また、テスラ・ロードスター(0-100km/h加速2.1秒)は、宇宙開発ベンチャー企業「スペースX」の小型ロケットシステムを搭載する「スペースXロケットスラスター」を設定するとのこと。このオプションパッケージを使えば、0-96km/h加速は1.1秒になると発表している。

 さらに、2021年に正式に生産するという発表があった、中国初の1400馬力ハイパーカー「紅旗S9」も0-100km/h加速1.9秒、最高時速は約400km/hというスペックらしい。

 まだ発売に至っていない「紅旗S9」は別として、ネヴェーラは、各ホイールに高出力モーターを搭載し、合計で1914馬力(最大トルク240kg-m)を誇るEVハイパーカー。テスタ・ロードスターも当然EVで、少なくとも加速性能に関しては、ガソリン車よりも起動トルク=最大トルクの電動モーターが圧倒的に有利なのは間違いない。

 おそらく0-100km/h加速1秒台の世界は、EVかハイブリッド車に独占されるはず。ガソリンエンジンでは確かに2秒台が壁であったが、EVとハイブリッド車のハイパーカーの登場で、0-100km/h加速も1秒台の世界に突入していくことになりそうだ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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