スイッチ式は視線移動することなく操作できる
クルマから物理スイッチが消えつつある。
最近ではタッチ操作できるセンターディスプレイにエアコンやオーディオなどの機能操作を集約することがトレンドで、物理スイッチは減っていく一方だ。保安基準として求められるハザードスイッチくらいしか残っていないようなクルマも出てきている。はたして、物理スイッチはこのまま消えていく運命なのだろうか。
まずは物理スイッチのメリットとデメリットを整理してみよう。
ボタン式、トグル式など形状にかかわらず物理スイッチのメリットは、その車両において位置と機能が固定されているということだ。つまり、スイッチの位置を覚えてしまえば視線移動することなく操作できるという点がメリットとなる。
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画像はこちら 走行中にエアコンの風量を変えたい、オーディオの音量を調整したいというユーザーニーズに対して、もっとも安全に操作できるのが物理スイッチということもできる。とくにステアリングスイッチであれば姿勢変化も最小限で済むため安全運転につながる操作系といえる。
デメリットとして指摘されるのはインテリアがごちゃごちゃとしてしまうことだ。クルマが多機能化するほどスイッチ類の数も増えてしまうため、よく使うスイッチの位置は覚えていても、それ以外については説明書を見なければわからないといったことにもなりかねない。
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もちろん、ディスプレイによるメニュー操作であっても目的としている機能が、設定メニュー階層の深い場所にあったりすると見つけづらいのは変わらないが、多機能になればなるほど単機能のスイッチを配置するという手法では物理的な限界を迎えるのも事実だ。
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さらにスイッチ類が増えてくると、ひとつひとつに割り当てられた機能を判断するのも難しくなる。とくに視力が衰えてきた高齢者にとっては小さなアイコンで機能を判別するよりもディスプレイに大きく表示されるほうがわかりやすいだろう。
というわけで、物理スイッチが消えつつあるのはクルマの多機能化が進んでいることに関係している。