これぞフェラーリと言わんばかりの華やかさ! バブル時代の六本木に溢れた「フェラーリ・テスタロッサ」 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■V12をミッドシップ搭載したフェラーリの新型ベルリネッタとして1984年にテスタロッサが登場

■センターロックのホイールや左Aピラー中央に装着されるサイドミラーなどが特徴的だった

■バブル経済真っ盛りの時代に登場したフェラーリはプレミア価格で取引されていた

エレガントなボディサイドのスリットに憧れた

 フェラーリから「テスタロッサ」という伝統の車名を掲げた新型12気筒ベルリネッタが誕生したのは1984年のこと。オフィシャルデビューの舞台として選ばれたのはパリサロン。正確にはその前夜にパリ市内の有名なクラブで行われたプライベートイベントだった。

 ちなみにこのテスタロッサという車名は、1950年代にフェラーリがワールド・スポーツカー・チャンピオンシップへの参戦を目的に開発した、250TR(テスタロッサ)をルーツとするもの。

 1971年に登場した365GT4BBから1976年に発表された512BBを経て、1981年に最終進化型の512BBiがデビューした一連のBBシリーズの後継車として、12気筒ベルリネッタの市場を受け継いでテスタロッサは生を受けたのだった。

 テスタロッサを見た者をまず驚かせたのは、BBの時代と比較すると、ボディサイドに優雅なスリットが採用されるなど、そのフィニッシュにラグジュアリーな印象が強く感じられるようになったデザインだった。前後に流れるボディサイドのライン構成においても、その抑揚はさらに強められ、大胆な面構成による空力ボディの時代がフェラーリにも本格的に訪れたことが予感できた。

 このデザインを生み出したのはもちろんピニンファリーナ。365GT4BBでは風洞実験によるデータの重視を開発コンセプトの基軸に掲げていた彼らは、このテスタロッサにおいては、CAD(コンピュータ・アソシエーテッド・デザイン)による、より綿密な空力特性の追求を展開。美しさと機能の両立を見事に実現してみせたのだ。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

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