認知の問題だけじゃない! 高齢ドライバーは「老眼」が危険を招く (2/2ページ)

高齢者は明るい時間の移動を心掛ける

 ほかにも、老眼では薄暗がりでの視認性が衰えやすくなるので、できるだけ明るい時間に移動を済ませられる予定を組むよう心がけるのもよい。まだ暗い早朝に出なければならない都合があるなら、前日に目的地に入る前泊を考えてはどうか。帰宅が夜分になりそうなら、一泊して翌朝戻ることも安心材料になりそうだ。

 いずれも、余計な時間がかかるのは事実だ。だが、それによってより安全に、なおかつ自分で運転を続けて移動できるなら、自分にとってその手法が新しい移動の価値観と思えばいい。余分な時間とはいっても、新たな出会いや発見が生まれるかもしれないと思えば、喜びもまた増えるかもしれない。

 電気自動車(EV)に関しては、充電という余計な時間を非難する論調が多い。だが、ゆとりを持った移動を前提に計画し、利用するなら、そこに新たな暮らし方や旅の喜びが潜んでいるかもしれない。

 年齢を重ねることも、同じだろう。年齢を重ねたら、あえてEVを選んでみる。余裕をもったクルマ利用のきっかけに役立ち、免許証の返納を先へ延ばしながら、運転の喜びや利便性を活かし続けるひとつの考え方ではないか。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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