トヨタにスバルにマツダに日産もガチで「偉大なる草レース」に参戦! いまS耐に自動車メーカーが本気になるワケ (2/2ページ)

近未来の技術開発を担うフィールドとなっている

 まさにST-Qクラスは自動車メーカーにとって貴重な開発現場となっているようだが、この次世代モデルの対決による勝者はどのマシンなのだろうか?

 純粋なスピードという点ではENDLESS SPORTのENDLESS AMG GT4やMax RacingのNissan Z Racing Conceptなどガソリン仕様車が抜群のパフォーマンスが誇るが、今後の期待値としては、やはり水素エンジンを搭載したORC ROOKIE RACINGのGR Corolla H2 conceptやカーボンニュートラル燃料を使用したTeam SDA EngineeringのBRZ CNF Concept、ORC ROOKIE RACINGのGR86 CNF Concept、さらにバイオディーゼル燃料を使用したMAZDA SPILIT RACINGのMAZDA2 Bio conceptなど次世代燃料モデルに軍配が上がるだろう。

 この次世代燃料モデルにおいて、純粋なスピードでトップにつけるのが、GR86 CNF Conceptだ。

 加えてカーボンニュートラル燃料とバイオディーゼル燃料も現在のエンジンをそのまま使用できることから、GR86 CNF ConceptやBRZ CNF Concept、MAZDA2 Bio conceptは市販化の実現度も高い。バイオディーゼル燃料は1リットルで1万円、カーボンニュートラル燃料は1リットルあたり3000円と言われているだけに最大の課題が燃料の価格といえるが、販売価格がガソリンと同程度になれば一気に普及するのではないだろうか?

 一方、水素エンジンは航続距離と給水素が最大の課題だが、前述のとおり、スーパー耐久を通じて航続距離が拡大されつつあるほか、水素および給水素システムの開発が進めば実用化に向けてブレイクスルーを果たすに違いない。

 次世代燃料モデルの実現度という意味では、現時点でカーボンニュートラル燃料を使用するGR86 CNF ConceptやBRZ CNF Concept、バイオディーゼル燃料を使用するMAZDA2 Bio conceptが一歩リードしているように見えるが、水素エンジンを含めて内燃機関の選択肢が増えることは将来のカーライフに対して明るい希望といえる。まさにスーパー耐久のST-Qクラスは、近未来の技術開発を担うフィールドとなっているのである。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

愛車
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登山
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