便利すぎるがゆえにトラブルの対処がわからない! クルマの「スマートキー」で最低限知っておくべき4つのこと (2/2ページ)

スマートキーの電池が切れてもエンジンをかけることができる

 電池の交換は、自分でも簡単に行えます。用意するものは、新品の電池と、マイナスドライバー。電池はゲームなどでよく使用されている「CR1632」というリチウム電池がスマートキーでも多く使用されていますので、コンビニでも入手可能です。交換方法は、まずスマートキーをよく見ると、電池切れになった際に鍵穴にさして手動で施錠・解錠することができるメカニカルキーが内蔵されています。解除ボタンを押し、矢印の方向へ手で押すと、先端が飛び出してきて引き抜くことができます。次に、マイナスドライバーの先端でスマートキーのカバー上下を外します。傷がつきやすいので、先端に薄い布や絆創膏などを貼って作業すると保護できます。パカッとカバーが外れたら、古い電池を取り出し、新品の電池を装着して、カバーとメカニカルキーを元に戻せば完了です。

 自分で電池交換をするのが自信ない、という人はもちろんディーラーでも行えますが、過去にお願いしたところ工賃を含めて3000円程度かかりましたので、かなり割高になると思います。

 次に、もしうっかりスマートキーの電池を切らしてしまい、すぐに電池交換ができない時。ドアが開かない、エンジンがかからない、なんて困りますよね。でもそんな時も慌てずに。先ほど、電池交換の手順で引き抜いたメカニカルキーを使って、ドアノブの鍵穴にさして解錠し、乗り込みます。トヨタや日産を例にすると、シフトレバーが「P」に入っていることを確認し、ブレーキペダルを踏んだ状態で、スマートキーをスタートボタンに接触させると、ブザーのような音が鳴ります。音が鳴ったら10秒以内にスタートボタンを押すと、エンジンが始動します。

 さて次は、スマートキーをポケットに入れておいたら、そのまま忘れて洗濯してしまった! トイレに行った時にポロッと落ちて水没! 水たまりに落としてしまった! なんていうこともあるものです。そんな時はまず、絶対にボタンなどを押さないように注意しながら、表面の水分を拭き取ります。先ほどの電池交換の手順で分解し、十分に乾かします。しっかり乾いたら電池は新品に取り換え、カバーを付けて元に戻し、作動するかどうか試してみましょう。よほどのことがなければ、作動することが多いと思いますが、まれに時間差で作動しなくなったり、壊れてしまうこともあるので、そうなったら残念ながらディーラーでの修理が必要です。修理費用はメーカーにもよりますが、1〜2万円ほどと高額なので、取り扱いには注意したいですね。

 続いては、スマートキーの仕組みを悪用した「リレーアタック」という盗難に注意すること。2人以上のグループで特殊な機器を使い、スマートキーが発する微弱な電波を中継し、離れた場所から車両のドアを開けたり、エンジンをかけて持ち去ってしまういう手口です。こうした被害に遭わないためには、スマートキーを使わないときは極力、電波を外部に発しないようにしておくことが効果的。リレーアタック予防機能がついたキーケースもありますが、金属製の缶に入れておくだけでも安心です。自宅では玄関にスマートキーを保管しないことや、出先ではスマートキーを持っていることをなるべく他人に知られないように用心しましょう。

 ということで、とても便利なスマートキー。こうした扱い方を頭に入れておけば、より安全に長く使えると思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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