10億円超×10台が発表時点ですでに完売! ブガッティ110周年記念車「チェントディエッチ」衝撃の中身 (2/2ページ)

最高速度はリミッターが作動して380km/h

 3分割構造となったフロントバンパーのセンターには、ブガッティ伝統の馬蹄型グリルが備わり、フロントノーズはシロンのそれよりも低く、スムースな曲線を描く。ヘッドライトはLEDのデイタイムランニングライトを組み込んだ横長でスリムなデザインに変化し、フロントセクションの大きな特徴となっている。

 サイドビューは、シロンの大きなCラインがコンパクトな造形へと変化し、EB110のエアインテークにインスピレーションを得た5個のエアインテークが、ドアからリヤフェンダーにかけて設けられている。それによってエンジンルームの冷却に十分なエアを取り込もうというのだ。

 搭載されるエンジンは、例によって8リッターの排気量が設定されたW型16気筒+4ターボ。最高出力は1600馬力と、シロンのそれからさらに100馬力ほどアップされているが、これはエンジンの冷却性能を向上させるなど、チェントディエッチに専用のチューニングが施された結果とされている。組み合わせられるミッションは7速のDSG。駆動方式はこれもシロンと同じく4WDで、車重は同様の比較で20kg軽い。

 ここまでのスペックを知ると、気になるのはやはりその運動性能だろう。ブガッティの発表値によれば、チェントディエッチが可能とする0-100km/h加速は2.4秒。0-200km/h加速は6.1秒、0-300km/h加速をも13.1秒で可能とする。最高速はリミッター制御による380km/h。それはまさに驚異のパフォーマンスといえるだろう。

 最新の技術を用いて、製作に16週間以上を費やしたというインテリアのフィニッシュも、チェントディエッチの大きな見どころのひとつ。オーナーの理想をすべて忠実に現実のものとする。

 ブガッティが世界最高の自動車ブランドのひとつと評されるのには、ここにも大きな理由があるのだ。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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