ホンダの歴代セダンを振り返る! 特徴やおすすめモデルも紹介 (2/2ページ)

ホンダのセダンで人気の中古車車種とは?

 現在、ホンダの公式ページで紹介されているセダンは上に挙げた2車ですが、近年まで販売されていたセダンは少なからず存在します。

 過去に販売されていたホンダのセダンで人気の車種を紹介していきましょう。

シビック(10代目/国内販売時期:2017年〜2020年)

 2021年に販売が開始された現行シビックには残念なことにセダンは用意されていません。

 ただし、先代モデルには5ドアハッチバックとともにセダンがラインナップされていました。

 シビックといえば長らくホンダの象徴ともいえるコンパクトカーで国内でも大きな人気を集めていたことは御存知の通り。しかし、主要マーケットが北米に移行していったことやフィットが登場したことで9代目の国内販売は見送られ国内のラインナップからシビックの名は消えていました。

 約10年ぶりに日本で販売されたのが10代目だったわけですが、ハッチバック、タイプRとともに用意されたセダンはロー&ワイドの躍動感あるスポーティなフォルムが特徴。写真で見るより実車を見たほうがスタイリッシュに感じました。

 パワーユニットは1.5リッター直4ターボエンジンを搭載。ただし、タイプRには最高出力320馬力の2リッター直4ターボエンジンが搭載されました。

 シビックセダンはハッチバックと比べ販売数が多くなかったため中古車で出回っている車両も少なめ。全国で約80台出回っている車両の中古車相場を調べてみると155〜280万円。年式が比較的新しいため相場も高めです。

レジェンド(5代目/国内販売時期:2014年〜2022年)

 1985年に登場した初代以降、ホンダのフラッグシップセダンの座を務めていたレジェンド。

 残念ながら在庫分の販売が終了したことで、今年初頭、国内販売が終了しました。

 最近まで販売されていたレジェンドは5代目となるモデルで、最大の特徴は2代目NSXと同じハイブリッド・AWDシステムを搭載していたことでしょう。

「スポーツ・ハイブリッド SH-AWD」と称されたハイブリッドシステムは3.5リッターV6エンジンとCVTに内蔵されたモーター、そして後輪を駆動する2つのモーターで構成。システム最大出力は382馬力を誇ります。

 また先進支援運転技術「ホンダ・センシング」や各種快適装備も満載。ホンダのフラッグシップセダンにふさわしい内容を備えていました。

 5代目レジェンドの中古車を調べてみると全国で約75台が販売中でした。中古車相場は125〜700万円と今年まで販売されていたことで高めではありますが、マイナーチェンジ前の前期モデルであれば200万円後半で比較的状態が良さそうな車両を見つけることが可能です。

グレイス(国内販売時期:2014年〜2020年)

 フィットをベースに開発されたコンパクトセダンのグレイス。東南アジアなどではシティとして販売され高い人気を誇ります。

 国内で見ると、正直パッとしないクルマですがタイなどではショーファー的にも使用されており、現地でブラックに仕立てられた車両を見ると「お、カッコいいじゃん!」と思ってしまいました。

 ユーティリティ性能が高いフィットをベースに仕立てているためグレースの居住スペースもゆとりある空間を実現。4.5mを切る全長しかないセダンとは思えないほどの広さです。

 デビュー時は1.5リッター+モーターのハイブリッド仕様のみが用意されていましたが、デビューから1年後には1.5リッター直4ガソリン車を追加。

 2017年のマイナーチェンジで先進運転支援システム「ホンダ・センシング」を装備するなど改良が進められましたが2020年に販売終了。グレイスの名も消滅しました。

 新車販売台数が少なかったことで中古車として販売されているのも全国で200台弱と少なめ。中古車相場は65〜230万円と比較的リーズナブルなためコンパクトセダンを探している方には最適な1台かもしれません。

クラリティ国内販売時期:2016年〜2021年)

 ホンダが発売してきた歴代セダンの中でもとくに希少なのがクラリティ。

 クラリティは2種類用意され、1台はFCV(燃料電池車)のフューエル セル、そしてもう1台がプラグインハイブリッド(PHEV)仕様となります。

 トヨタ・ミライとともに市販FCVとして話題を集めたクラリティ フューエル セルは燃料電池パワートレインの小型化に成功し世界で初めてセダンのエンジンルーム内に収めたクルマです。

 一方のクラリティPHEVは1.5リッターエンジン+モーターのパワーユニットを搭載し2018年に国内での販売を開始しました。燃費は28.0km/L、EV走行は114.6km(ともにJC08モード)と実用性も十分。EV走行距離ではプリウスPHVの68.2km(JC08モード)を大きく上回っていました。

 両タイプともに2021年に生産終了となったことでPHEVの販売年数はわずか3年と短命に終わっています。

 さて、クラリティの中古車ですが原稿執筆時点でPHEVがわずか1台ほどしか出回っていません。そもそもフューエル セルに至ってはデビュー時からしばらくの間は企業や官公庁向けのリースのみ。個人向けリース販売が2020年にやっと開始されるなど中古車を見つけることは不可能ともいえます。

編集部のおすすめ!

 さて、ホンダが生産していたセダンについてここまで紹介してきましたが、選択肢は少ないながらもタイプ別にお薦めした車種をあげていきましょう。

先進装備と最新技術を味わいたいなら:レジェンド

 すでに中古車でしか買えないレジェンドですが、「スポーツ・ハイブリッド SH-AWD」がもたらす走行性能と快適装備が満載なところは魅力大!200万円で走行距離が5〜7万kmの車両があれば迷わず買いでしょう。

適度なサイズのハイブリッドセダンを求めるなら:インサイト

 まもなく販売が終了するインサイト。いまや数少ないアッパーミドルのセダンを必要とするならお薦めしたい1台です。燃費と走りの良さを兼ね備えたパワーユニットや先進運転支援システムも備わっているところも魅力的です。

いまや貴重! コンパクトセダンが欲しいなら:グレース

 ひと昔前まで選択肢が豊富だった4.5m以下の国産コンパクトセダンは、現在、現行カローラと併売されているカローラアクシオがあるくらい。少なからずいる「トヨタ車には乗りたくない」と考えるユーザーにとってグレースは貴重な存在です。リーズナブルで状態が良い中古車を探すことは、決して難しくありません。

まとめ

 改めて調べていくと現在販売しているアコードとインサイトともに在庫のみが販売されており、セダンのラインナップの消滅が迫っているホンダ。

 今後、セダンの復活があるかは微妙ですがラインナップからなくなると寂しいことも確か。アコードやシビックなど海外ではまだ主力車種としてホンダのセダンが活躍していることが救いではありますが、いつの日かラインナップにセダンが新たに加わることを期待したいものです。


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