セダン受難の時代の最後の砦! 乗るならいまの国産絶品セダン5選 (1/2ページ)

この記事をまとめると

◼︎今のうちに乗っておきたい国産セダンをピックアップ

◼︎同クラスのクルマと比較して半額で買える最新モデルも設定

◼︎純ガソリンセダンは今のうちに楽しんでおくのが吉と言えよう

クルマの醍醐味はセダンだからこそ味わえる

 セダンの行く末が心配だ。というのも、いまや公用車もハイヤーも、これまでの高級セダンからアルファードのような高級ミニバンに取って代わられ、生活に余裕あるセダン派ユーザーも高級SUVを愛用するケースが激増しているからだ。たしかにアルファードのようなミニバンは、その迫力と存在感ある佇まい、居住空間の広さの魅力はもちろん、両側パワースライドドアによる乗降性にも優れ、一度経験してしまうと後戻りできない(!?)メリットが数多いのである。

 が、それでもセダンにこだわるユーザーはいるわけだが、セダンの未来は決して明るくない。自動車メーカーによってはSUV比率がどんどん上昇し、今後、ますます厳しくなる騒音規制をクリアするのも大変だからである。ここでは、そんなセダン受難時代の今こそ乗っておきたい、買うべきセダンを紹介したい。

 まずは何と言ってもトヨタMIRAIだ。もはやトヨタの最上級セダンと呼んでもいいトヨタの燃料電池車=FCV、MIRAIの2代目は、トヨタ最新の大型車用GA-L、FRプラットフォームを用い、全長4975×全幅1885×全高1470mm、ホイールベース2920mmの、プレミアムカーとしての資質を一段と高めた後輪駆動の高級サルーンとなった。初代よりボディサイズがさらに大きくなったのは、水素ステーションのインフラに対応する航続距離の延長にほかならない。航続距離はWLTCモードでグレードによって約750~850kmと謳われるが、エアコンで車内を暖めるなどすれば、実質500km程度。それでも東京~軽井沢を余裕で往復できるのだから素晴らしい。

 モーター駆動の燃料電池車だから走りが静かであることは当然だが、初代はパワーユニットが静かすぎるがゆえに、かえってほかの音が目立ってしまっていた。しかし、新型はそうした反省点を見事に解決。徹底した遮音、防音に加え、音の発生源そのものを抑えているため、クルマの未来感ある素晴らしく静かでウルトラスムースな走行感覚、クルージングが味わえる。静かすぎるのはクルマじゃない! と感じるユーザーのためにはアクティブサウンドコントロールが用意され、クルマらしい、あるいはスポーティな音さえ聞かせてくれるのだからさすがである。

 そんなMIRAIには、新機能として自動運転レベル2.5に相当する高度運転支援技術のAdvanced Driveが用意されている。ナビゲーションで目的地を設定していることが前提だが、ドライバー監視(カメラがドライバーを見ている)のもと、システムが認知、判断、操作を支援。高度なACC+レーンキープのような車線、車間維持、カーブ手前減速制御を行ってくれるのはもちろん、なんと分岐、車線変更、追い越しまで自動で行ってくれるのだ。もちろん、メーターがブルーに変われば、ハンズフリーのドライブが可能となり、Advanced Driveの本領が発揮される。その機能はノア&ヴォクシーよりさらに広範囲に及ぶ。

 走るほどにまわりの空気さえきれいにするマイナスエミッションを実現した新型MIRAIは、カーボンニュートラルを目指す環境性能、そして絶大なる安全性能だけでなく、ドライバーの高齢化社会にも一石を投じたクルマの未来を標榜する革新的かつプレミアムな1台であり、レクサスLSのAdvanced Driveモデルが1632万円からなのに対して、MIRAIは845万円から手に入るのだから(補助金別)、超お買い得でもある。

 自宅の近くに水素ステーションがある、普段の走行ルート上に水素ステーションがあるのなら、使い勝手に弊害も少ないだろう。機能のアップデートも自動で行われるから、長く乗り続けられるクルマでもあるのだ。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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