【試乗】カワイイ+最新装備+ターボも追加って無敵じゃないか! 2代目ムーヴキャンバスが想像以上にスゴイ (1/2ページ)

この記事をまとめると

ムーヴキャンバスが2代目へフルモデルチェンジ

■初代はNAモデルのみだったがターボモデルも追加された

■細かい機能やユーティリティの面で進化しており使い勝手が大幅に向上した

キープコンセプトの2代目ムーヴキャンバスはポテンシャル大幅UP

 両側スライドドアを備えたお洒落な軽スモールカーとして、若年女性を中心に人気を得てきたダイハツ・ムーヴ キャンバス。初代は「できるミニバス、キャンバス」のキャッチフレーズとともに、モデル末期まで堅調に売れ続ける人気モデルに成長した。2022年7月、そんなキャンバスが2代目にフルモデルチェンジ。新型のトピックは人気を得てきたデザインのコンセプトはキープしながらも、ふたつのキャラクターを設定したことだ。

 ツートーンカラーの仕様は「ストライプス」と呼ばれることに。全体を爽やかに引き立てるホワイトは従来よりも透明感のある色調に替わり、組み合わされるボディカラーはフレッシュなシトラスイエローやレッドメタリックといった華やぎ系の色のほかに、レイクブルーやサンドベージュといったくすみ系のニュアンスカラーを採り入れることで、若年女性だけでなく、大人でも気負いなく乗りこなせそうなコーディネートに仕立てられている。

 そしてもうひとつ、今回新たに加わったキャラクターが「セオリー」。大人の価値観、持論を表現できるクルマとして登場したセオリーは、落ち着いた色を中心としたモノトーンカラーが特徴で、ボディサイドをキラリと横切るピンポイントメッキがアクセントになっている。これまでのモデルが若年女性を中心にウケてきたことを踏まえると、セオリーは親子で1台を共有するといった使いかたやクールなキャラクターで乗りこなしたい大人ユーザーが選びやすい選択肢となりそうだ。

 走りについては後ほど改めてご紹介するが、エンジンは自然吸気のほかに、先代にはなかったターボが設定されており、白ナンバーのクルマから軽自動車に乗り換えるダウンサイザーや力強い走りを求めるニーズにも応えてくれる。

 エクステリアは初代のイメージは踏襲しながらも、フロントのエンブレムは「CANBUS」の文字に変更。純正の用品で従来の丸いバッヂに変更することも可能だという。ヘッドライトは灯体のサイド部分にCANBUSの文字があしらわれているあたりもさり気ないこだわり。グレードによって装備が異なるが、ボディの造形やメッキの配分なども注意深く計算されているため、オモチャっぽく見せていない。実際に目で見た印象としては、デザインは似ていても洗練度はグっと高まっていると感じる。

 インテリアは居心地のいい空間に使い勝手の良い機能的な装備を充実させ、現代のデジタル化したライフスタイルに対応している。ストライプスとセオリーでは内装のテーマカラーが異なり、ストライプスは明るいイメージ。グレーとブルーを組み合わせたファブリックシートを採用。明るめの色調ながら、足もとにくすみ系のブルーを配色して汚れが目立ちにくいようになっているのも嬉しい。

 一方で、落ち着いた雰囲気を漂わせるセオリーはハイセンスな大人のファッションコーデに使われるネイビー×ブラウンの組み合わせ。セオリーが追求する大人に似合う上質なイメージにピッタリだ。

 インパネは水平基調で明るい視界を確保している。モニターを中心に配し、助手席側には停車中にちょっとした小物が置けそうなテーブル的なスペースも。何より、注目して欲しい装備が上級仕様に搭載される「ホッとカップホルダー」。スイッチをオンにしておくと、飲み物などを42℃で保温してくれるもので、コンビニで買ったコーヒーなどを最後まで温かい状態で楽しめる。

 さらに、ディスプレイオーディオを選択すると、お手持ちのスマートフォンと連携して音楽再生やナビアプリなどを活用できるほか、iPhoneの場合はワイヤレス接続機能が可能に(Androidの場合は有線で接続)。ミラーリング機能もあり、スマホアプリをクルマのモニター上に映し出し、映画やYouTubeを鑑賞したり、ゲームの画面を共有するといっ使い方もできる。さらに、ハンドル上のスイッチを押して「エアコンを23℃に設定して」といった具合に車両の設定を音声で操作できるなど、かつての軽自動車のアナログ的な概念をあっさり吹き飛ばす進化に驚かされてしまった。

 リヤシートはスライド機構を備えていて、乗員の膝まわりの広さと荷室の奥行きを臨機応変に調節できる。また、後席左右の座席の下には引き出し式の置き楽ボックスが設定されており、引き出した状態でケーキの箱などを収めておくと走行中に揺られにくい。初代から受け継がれた機能だが、従来のものと比べると、片手で簡単に展開しやすくなった。

 キャンバスは両側スライドドアを備えたモデルでありながら、ルーフの高さはタントとムーヴの中間にあたる程々の高さに設定。全長や全幅の大きさに制約がある軽自動車は必然的に4つのタイヤが構える間隔が狭くなりがちだが、背が高すぎないキャンバスの全高は背高ノッポにみえにくく、均整が取れたシルエットになっている。それでいて、スライドドアの開口部は十分に確保されている印象で、狭い駐車スペースでも乗り降りがしやすい。

 特筆すべきは電動開閉式のスライドドアをフル活用した機能性。すでにタントにも採用されているものだが、スライドドアが閉じたあとに自動的に施錠する機能をはじめ、キーを携帯してクルマに近づくだけで解錠し、ドアに触れずにパワースライドドアが開くウェルカムオープン機能も備える。運転席の背面にある大型のユーティリティフックは手提げやバッグを掛けられるもので、運転席側のスライドドアを開いて荷物を積み込み、その流れで運転席に乗り込んでサッと走り出せる。一連の導線がスマートにきまるから、日常の移動におけるストレスをさり気なく低減してくれそうだ。

 キャンバスはデザインやファッション性に注目されがちなモデルなので、走りはそこそこだと思われがちだが、じつは走行性能についても大幅に進化にしていることに注目して欲しい。最大のポイントはキャンバスとしては初めてDNGAのプラットフォームが採用されたこと。DNGAの設計思想を取り入れたクルマづくりはタントに始まり、ロッキー、タフト、そして今回のキャンバスが第4のモデルとなるわけだが、「走る」、「曲がる」、「止まる」といった走りの基本性能において、専門家たちから高い評価を得てきたものだ。

 乗り心地や車体の挙動を左右するサスペンションを最適に動かすことを考えて作られていることに加えて、キャンバスは「女性に優しい乗り心地」を追求。ダイハツ社内の女性社員の意見を聞きながら乗り心地の良さや走らせやすさを徹底的に磨き込んだという。


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