カーマニアたるもの変態と呼ばれてこそ一流! クルマ業界に蔓延る行きすぎた「○○男子」の生態 (2/2ページ)

行き過ぎた属性は”引かれる”……かも

スティック(荒井)男子

 某中古車ショップのオーナー並みに情報通、ハード・ソフトの区別なく詳しい男子で、特徴は業者特有の用語を多用しがちなところ。例えばジャガーXJ-Sコンバーチブルなら「JSの屋根開き」、わかりやすいところではマニュアルミッションを「かき回し」、シャンパンゴールドは「いなり」など。

 また、ブローカー的な一面もあり「500E、距離出ててもいいから」なんて告げようものならその場で「シモシモ、あのマラカイトまだ展示っすか」(マラカイトグリーンの500Eは在庫していますか、みたいな意味?)てな具合に電話かけまくり。いつでもポケットに磁石を忍ばせ、素材の確認に抜かりがない。もちろん、尊敬している評論家は福野礼一郎ただひとり。

洗車男子

 とにかくクルマはすみずみまでピカピカでないと夜もおちおち眠れない、ちょっとしたパラノイア。ケルヒャーの高圧洗浄機はもちろん、日立(HIKOKI)の業務用マシンをゲットしただけでなく、クイックブライトからココナッツオイルまで世界中のケミカル用品もひと通り試し済み。

 お気に入りは鉄粉除去からのポリッシャーで、バフは業務用ながらコンパウンドとクレンジング剤は自分レシピを開発。ただし、ガラスコーティングについては不勉強で、失敗は取り返しがつかないと考えて業者任せ。ポケットにはいつでも綿棒が数本ありがちで、車内の吹き出し口や型押しのシボの汚れも見逃さない。いまさらながら「土足厳禁」にしたいものの世間の目を気にして踏み切れないでいる。

カーオーディオ男子

 重低音を重視し、車外に音を出すバスパワー男子とは一線を画し、車内オーディオのハイファイ、ピュアオーディオ化を目論む今となっては絶滅危惧種に近い。デッドニングはもとより、ケーブルのOFC化などは初歩中の初歩であり、高じてくるとクルマのハーネス自体をグレードアップしがち。

 また、音響理論を学びなおす、スピーカーの設計理論から勉強しなおすといったケースも少なくない。愛読書はもちろん「オーディオファイル」ながら、ホームオーディオにはそれほど食指を動かされない。なぜなら「車内に比べて、理想的な環境がすぐに作れるから」などと殊勝なことをほざきやすい。ただし、ホームオーディオマニアから発展してきた場合はカセットテープの再生にこだわる者も。ヤフオクでナカミチやアルパインのカセットデッキを高額で落としていくのはたいていこの男子。

 なお、編集部からは「女子からどう見られているか」なんてオーダーもあったのですが、いずれの男子も「キモっ!」とか「めんどい」と思われているのは間違いないでしょう。なんとか男子でクリーンなやつ、女子ウケするやつなんて大抵はメディアのまやかしと思って、くれぐれもホニャララ男子なんて呼ばれないようご注意あそばせ(笑)。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

文筆業

愛車
三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
趣味
DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
マルチェロ・マストロヤンニ/ジャコ・パストリアス/岩城滉一

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